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無惨様に叱られたい(鬼滅)
「炭治郎に応援されたい」の続き
完璧なノートを借りたところで良い点を取れるはずもなく、テストの結果は散々だった。
なので私は担任に呼ばれた。
非情で残忍だと名高い無惨先生に、だ。
「失礼します。先生、本当にごめんなさい」
そんな先生なんだもん言い訳なんてしないわ。最初からひたすらに謝ろう。
私は先生を目の前にして開口一番そう言った。
「誰が喋って良いと言った?」
だがしかし私には発言さえ許されていなかった件!!
無惨先生様は薄暗くした部屋の中で鬼の形相をしながら私を睨んでくる。
もうほんと、暗闇でその顔、怖いとしか言いようがないから!!
「聞けルカ。私が嫌いなものは馬鹿≠セ。国語もできない馬鹿。数学もできない馬鹿。英語もできない馬鹿。お前の凡ゆる馬鹿さ加減が私を…」
「あ、あの、理科はまあまあ点数取れたと思うんですけど」
「私が喋っているのに口を挟むか」
「ヒェ!ご、ごめんなさい!(ちょっとォ!!怖すぎだよ何なのこの担任?!)」
「しかも、何だこの担任とか思っただろう、お前」
「(思考が読まれている?!)すみませんごめんなさい何でもありません。はい!次は本当に頑張ります!」
「お前のテスト結果に私は不快の絶頂だ。次は頑張る??そんな不確定でいい加減なことを嬉々として語ってくるな」
…えええ。どうすりゃいいのよぉ。
「…いや。…もうどうでもいい」
あ、急に見捨てた。先生ェ!
「私はお前の存在理由がわからなくなってきている」
しかも存在を疑問に思われ始めてる…?!私…消されるの??
「あの、本当に頑張りますからァ!塾にも通って…あ!先生放課後に補修とかしてくれませんか??」
「ハァ?」
ぴくり、
あわわ!
無惨先生様の眉間のシワがより一層深くなっちゃってる!これはまずい!
「お前私に指図するか?甚だ図々しい。身の程を弁えろ。なぜ私がお前の都合でお前の補修をしてやらねばならんのだ」
「ご、ごめんなさい」
生徒の熱意を簡単に踏みにじる先生!!
私は冷や汗が止まらない。
無惨先生様は怯える私に呆れたのか深い深いため息を吐いた。
「次はしくじるな」
「ひゃ、ひゃい」
「上位6位に入れ。お前に拒否する権利はない」
「は!?」
えええ!?
順位は下から数えた方が早い私なのに上位なんて無理やろ?!
…だなんてもちろん言っちゃだめですよね。
はいごめんなさい。
「わかったな?」
「はいぃ」
無惨先生様はギロリ、高圧的に私を睨み付けた。
私は項垂れながら頭を下げるしかない。
あ、明日から死ぬ気でやらないと…
そう思って震えていると…
ぽん
突然、無惨先生様が私の頭の上に手を置いた。
「?!」
え?なんで??
急なこのスキンシップなんで??
「本当はお前には期待しているんだ」
「…」
そして無惨先生様はそう言った。
その後頭から手を離せば、彼は私に背を向け手元の実験道具をいじりはじめる。
「…」
あれ?おかしいな。
「…せ、先生ェ〜!私!私!頑張るね!!」
「…邪魔だ。早く消えろ」
「あああご無体な!!」
恐怖心でいっぱいだったのに、なんか全部、最後ので吹っ飛んだ!!
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無惨様。理科教師。
理科だけは点数とれてたルカが少しお気に入り。