ボツSSとSSSの部屋 | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

一寸先は漆黒(麦・心同盟にトリップ)



ある朝私は未知の世界で目覚めた。
最初は驚いたがパニックもしすぎれば逆に冷静になれるらしく、だから私はすぐさま目覚めた先にいた人間たちを前に正座して座って、最近見たジ〇リ映画の少女のごとく「ここにおいてください。働かせてください」と平身低頭土下座して懇願した。なんせここは海の上、船の中。放り出されたら困る。

「おれは別に構わねーぞ!おもしろそうだし。じゃあさ、お前何ができる?」

するとここにいた人間たちのフロントセンターにいた麦わら帽子の少年がニカッと笑ってそう言った。察するにこの人間たちのリーダー的存在だろう決して怒らせてはいけない。「何ができる、ですか?」。恐る恐るそう聞き返した私に麦わら少年は邪気のない顔でうんうん頷いた。

「おれは剣は使えねえし、航海術持ってねえし、料理はできねえし嘘もつけねえ。医術なんてサッパリだし古代文字は読めねえし楽器弾けねえし船も直せねえんだ。あと、何だか難し気な計画達成のために同盟持ちかける頭脳もねえ!だからそういうのは仲間に頼るしかねえんだよ」
「…」
「だから、お前のできること知りてえってワケだ!」
「…う!」

ヤバイヤバイ!はっきり言ってこの麦わら少年のお仲間さんに負けず劣らずな特殊能力など私は持ってない!ただの学生なんだぞ!せめて家事全般って言いたいところだが残念ながら全部おかーさん頼りだった!!…となると……!!

「……こ、この身体をささげることくらいしか…」
「!え!」

私の発言に少年は目を丸くした。だって私本当に何も持っていないもの手に職すらなく一円のお金すらない無一文だもの!!奴隷になる宣言しないと生きて行けないじゃんこの流れ!
すると少年は一瞬驚かせていた顔をすぐに元の笑顔へと戻すとくるっと後ろを振り返って仲間のうちの一人と目を合わせた。「おいトラ男!コイツでいいんじゃねえの?」。そして誰よりも目つきが危ない長身の男性に向かってそんなことを言い私を指さしたのでビクゥ!!身体が固まった。あの人このメンバーで一番ヤバそうなんだけど!いや、動くホネ人間のほうがもっとヤバイんだけどね実際は!!

「…ああ、そうだな。若いし活きもいい。刻み甲斐がありそうだな」
「ヒエー!な、な、なにをするつもりで!?」
「ああ。トラ男は医者でよー。新しい術式を人間使って試してえって言ってて、でもおれら全員断ってたところなんだよ。おまえ、身体ささげられるんだったらトラ男の実験台になってやってくれ!」
「アナタいと爽やかに残酷な言葉を言い放ちましたね!!」
「そうか?」
「来い女。大丈夫だ、痛くはねぇよ」
「ギャァアアアー!痛いに決まってるじゃん死ぬし死ぬし死ぬってばーー!モルモットとか嫌ーーー!」
「グッドラック♪」




prev / next