ダムッダムッ 都内有数の進学校である秀徳高校のバスケ部が使う体育館、私は今そこにいる。ボールを つく音をBGMにテスト勉強をしているのだ。どうして体育館なのかと言うと私の彼氏である宮地清志が自主練をしているからである。
テスト期間中で部活動は休みのはずだけど宮 地は成績優秀だから、先生に許可を貰って練 習をしている。ダムッダムッシュッ数回のドリブルの後ボールを放ったような音がした。ノートから顔をあげると案の定シュートを放ったところだった。スパッと緑間君・・・とまではいかないけれど綺麗に入ったボール。リングから落ちたボールは床に数回跳ねて止まった。それを宮地が拾ってかごに戻す。かごを倉庫にしまって鍵をかけるとこっ ちを見た。

「帰るぞ」
「え?・・・うん、ちょっと待って」

いつもより早いなと思いつつ急いで広げてい たノートや、教科書をカバンに仕舞う。 重いカバンを持ってステージから下り、宮地と部室に向かう。 部室に入ると宮地は着替え始めるから私は入口の方向―つまり宮地と逆の方向を向く。 数分待つと後ろから声が掛かる。

「終わったし、帰るか」
「うん。今日は早いね。調子悪かったの?」

部室に鍵をして、職員室に鍵を返して校門に 向かう。いつものことだった。

「大坪がな、最近変質者が出るから早めにお 前を送れって言ってたんだよ」
「え、私のせいで宮地練習早く終われせた の?!」
「いや、お前のせいって訳じゃねぇよ。ただ 俺が」
「?」
「っ・・・俺がお前に何かあったらって勝手に 不安になっただけだ。言わせんな、埋める ぞ」

いつものように物騒な言葉を吐く宮地。それ でも彼の耳は真っ赤で何だか嬉しくなった。 心配してくれたことが、不器用にも私を好き でいてくれていることが。 私は繋いでいた宮地の手をギュッと握った。

「・・・なんだよ」
「ふふっ、なんでもなーい」


(そんなテスト期間の帰り道)



10/09-10/23 拍手文 宮地夢 甘








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