「隊長ー。もう大丈夫そうッスね」
「まぁな。良かった良かった」
ホームルーム終わりに教室に入ってきたいつもの人物と、これまたいつもの表情で楽しそうに話す友人を見てほっと一息ついた。
やっぱりこの二人は一緒でないと見ているこちらもしっくりこない。
お互いに似た者同士で面倒臭くて、片方が沈めば片方が引っ張り上げる。そんな事を繰り返してきっとこれからもオレ達をハラハラさせてくれるに違いない、と澤の友人達は目を見合わせて笑い合うのだ。
「でもオレら何にもしてなくない?」
「結局藤倉くん任せだったしなぁ」
「そんな事ないよ」
「おお!澤隊員!」
「やだぁホンモノよ!」
「だからキャラブレッブレだよ…。でもずっと心配してくれてるの知ってた。あれも、嬉しかったし。悪かったな、ありがとう」
「うん」
「おう」
バレてるのも知ってたけど、改めて礼を言われるとちょっと恥ずかしい。
こんな風にしかお前らの事応援出来ないけど、今度また転んだ時はきっと手を差し伸べるから。だからもっと素直に俺達も頼って欲しいなぁなんて思う。
けど彼より先にそんな事をすれば…嫉妬されちゃうかな。ホント、何て面倒なお二人だこと。
「澤くん、じゃないや澤隊員。帰りますよー」
「誰が隊員だよ」
そうしてわちゃわちゃしながら校内一有名な凸凹コンビは帰っていった。
その後ろをカメラを持った生徒が数名尾けていったのもいつものことなので見ないことにした。
「なぁ、オレが隊長なら藤倉くんは将軍なのかな」
「将軍のが偉いの?」
「や、分からんけど」
「ポメ、触りに行く?」
「行こうか」
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