「あ、ちょっとゴメン。スマホ見る」
「いーよ。…どしたの?そんな顔して」
「いやぁ、えっと…」
「あぁ!クリスマスかぁ。…いいよ、行ってきなよ」
「え」
「誘われたんでしょ?友達に」
「でもその、藤倉は?予定ないの?」
「うーん…。まぁ俺は俺で適当にするから…。え、本当にどうした澤くん」
「俺、どこにも行かないよ。というかお前と過ごすつもりだったんだけど…」
「え」
「お前は、違ったのかなって」
「違わない違わない!ただその…去年は誘われなくて寂しそうだったからさ…。澤くんが楽しい方がいいと思って」
「じゃあお前といる」
「え、いいの?」
「なんで?ダメなの?」
「ダメなわけないけど…いや待ってカッコよくない?」
「は…?てか、これ別にお誘いとかじゃねーから。ほら」
「俺も見ていいの?………おぉ、これは」
「な?何か分からんけど、めっちゃ応援?されてる。今年は俺から誘ってやれ、とか。サンタ帽被ったポメの写真とか」
「なるほど。そういうこと…」
「というわけで、俺と過ごしてくれる?」
「ちょっと待って、まって、カッコよくない?これは最早結婚の申し込みでは…?まだ指輪も用意できてないのに…?」
「いや違うから落ち着け。…でもまぁ、俺はこれからもずっとお前と祝えるんだと思ってるんだけど。藤倉は?違った?」
「………………違いませんけど」
「あの、ふじくら、さん?」
「これはもう、プロポーズでは………?」
「え、いやそんなつもりは」
「カッ………コよすぎん?あれ、ちょっと待って眩しい」
「格好良いのはお前だろ?何言ってんだよ」
「う、え、あぁ………」
「え、ゴメン、何か気に障った?クリスマスやっぱ別々に過ごす?」
「は!?今更何言ってんの!俺の時間は全部澤くんのモノですがっ!?」
「うわびっくりした!どしたんマジで」
「こっちの台詞だよ!………この子マジでとんでもねぇな」
「お前もいつも通りおかしいな。ちょっと安心した」
「俺は澤くんの成長が凄まじくてちょっと…いや嬉しい、嬉しいけど…!」
「背が伸びたってことか?」
「あ、そんな嬉しそうな顔しないでかわいい…いやカッコいい」
「で、結局クリスマスは」
「俺の家で」
「えと、でもイルミネーションとか」
「外出もいいけど、夜は俺の家で」
「おう…?」
「指輪はまだ、もうちょっと待っててね」
「誰もそこまでの話はしてないんだけどなぁ」
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