「お前って何でも似合うよなぁ」
「え、どしたの突然」
「いや、何となくさ。ほら、向こうに学ランの子達いるじゃん?うちはブレザーだけど、藤倉ならきっと学ランも似合うんじゃないか?」
「それなら澤くんもめちゃくちゃ似合っ…似合うと思うよ」
「噛んでまで無理しなくていいよ」
「いやいや!本当だって!めっちゃ似合う絶対」
「そこまで?」
「まるでお客様のために誂えたかのよう」
「それって喜んでいいのかな…褒め言葉なの?」
「めちゃくちゃ褒め言葉」
「うーん、じゃあ一応ありがとう。でも学ラン以外にも色々見てみたいかも。お前私服もカッコいいし、こないだのバイト着も似合ってたしさ」
「…澤くん俺、タキシードも似合うと思うよ」
「だろうなぁ」
「和装も…紋付き袴も似合うと思うんだよね。もうちょっと髪色暗くした方がいいかもしんないけど」
「…?そうか、まぁ似合いそうではあるけど」
「澤くんも、和服結構…いやかなり合うと思うんだよなぁ」
「そうかな」
「うん、タキシードも有りだけど和式か…いっそ両方」
「あの…何の話だっけ」
「俺も色々着てみて欲しいから、二人でいっぱい試着しようね」
「何を?」
「和風洋風、中華も有りだと思うんだ」
「なぁ何が?」
「お色直しは何回しよう…前撮りもしときたいよなぁ」
「あの、話噛み合って…ないよなぁ」
「色んな俺を見せてあげるから、色んな澤くんも見せてね」
「………おう?」
「よっし、言質取った」
「何の話だっけ」
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