「藤倉。お前、牛乳は好きか?」
「んー?飲めるけど好き!って程でもないかな」
「じゃあ小魚は?」
「まぁ同じく可もなく不可もなく、かな」
「じゃあ睡眠は…?」
「あの澤くん、もしかして」
「睡眠は」
「まぁよく寝る方…なのかな?どっちかっていうとロングスリーパーかも。ってか澤くん、」
「なるほどやっぱ睡眠か…?睡眠が大事なのか」
「さーわーくん」
「でも俺もまぁまぁ寝る方だしな…運動量も申し分無いハズ…じゃあ遺伝か…?」
「さーわくんっ」
「おわっ!ちょっ、耳は止めろ変態っ!」
「だって全然こっち向いてくんないからさぁ?ってかやっぱり気にしてるんだね、身長」
「し…てない」
「だうとー」
「して…なくはない、けど!まぁ正直もうちょっと欲しくはある…かな」
「そのまんまでもいーのに」
「やだ。もっと欲しい」
「あ、今のもっかい言って」
「え、何を?」
「さっきの台詞。はい」
「…やだ。もっと欲しい…?」
「ありがとう!」
「…何が?」
「お礼に俺の身長を分けてあげよう」
「え、要らね」
「即答されたけど返品不可でーす」
「わわっ、ちょっと待ってここ、道端!」
「こうやってぎゅうーってしてると俺の成分が伝わって澤くんの背も伸びるよきっと」
「んな訳あるか!はーなーせっ!」
「あと三秒、いや、十秒ー」
「長い!」
「さん、にー、いち!ほい、伸びた?」
「伸びるか馬鹿!」
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