「何か特に疲れた訳でも無ぇけどめっちゃ甘いもん食いたいなぁ」

「甘いもん」

「うん。甘くて適度に柔らかくて冷たいやつでー、ってアイスかなコレ。いや、ソフトクリーム…？」

「はい」

「え、………えっ？！」

「ジェラート。ソフトクリームじゃないけど、あそこで売ってた」

「え、いつ買っ、え？！！」

「早くしないと溶けるよ？」

「え、あ、えと、ありがとう…？」

「どういたしまして」

「あ、お金返す！いくらだった？…っていうか、お前の分は？」

「俺？いらないから気にしないで食べていーよ。お金もまた今度でいいし」

「でも、あ、やべー垂れてきたっ」

「………」

「美味い…んだけどその…えーっと、そんなに見てくるってことはやっぱお前も欲しかったのか？」

「んー？んーん。見てるだけ」

「ふうん…。半分いる？」

「え」

「や、自分だけってのも何か悪いし視線すげー刺さるしやっぱりお前も欲しいのかなって…あ、でも俺の食いかけなんてやっぱり」

「ゴメンやっぱりすごい欲しくなった俺も食べたい食べさせてください」

「お、おう…圧がすごい…」

「手、貸してね」

「うぁっ」

「………うん。めちゃくちゃ甘い…」

「そんだけでいいの？半分も食べてないけど」

「うん。これ以上は俺の身が持たない…いや、理性か…」

「？何か分かんねーけど、後でお金返すな」

「要らないのに。じゃあ今度、何か奢って？ジュースとかさ」

「そんなんでいいのか？」

「うん。…もう十分過ぎる程貰ったんだけどね」

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