きみが見ている世界は何色だろうか。
おれにとっての「赤」はきみにとっても「赤」なのか。
きみが見ている「青」は、おれの知っている「青」と同じように安らぎを与えてくれるだろうか。
きみの見ている色を、教えて欲しい。
上手く話せなくたっていいし、ちょっとずつでいい。
きみが与えてくれることにこそ意味があるから。
おれ一人じゃどうしたってこれ以上進めないけれど、きみの色と合わさればどこまでだって行けるんだ。
全く同じになりたいわけじゃない。
いっそ混ざり合えたら、きみの一部になって一生離れることはないと確証が持てたらどれだけいいかと思うことはある。
だけどそうしたらきみは見えないし、おれだけに向けてくれる視線も、きみだけの温度も感じることは出来ない。
ただきみはきみのままで、おれもどうしたっておれのままだけど、それでも同じ世界に立っていたい。
互いに足りない色を教え合って、持っている色を照らし合わせよう。
それらは時に受け入れ合い、時に否定し、傷つけ、癒されては混ざり合う。
全く同じ色にしたいわけじゃない。
全てが同じ色の世界では何も見えないのと同じだろうから。
ただ、知りたいんだ。
少しでもきみと「理解り合う」ために。
どうしたら少しでも長く一緒にいられるか考えるために。
きみとおれの世界を近づけるために。
きみの色を、教えて欲しい。
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