mitei Crescent Moon | ナノ


▼ 1_new moon

その道に入ったのは、本当に只の気まぐれだった。

会社帰りに偶然見つけた、小さな路地。この日残業終わりだった僕は身体は疲れているはずなのに、心は何故だか軽かった。そのせいか普段なら真っ直ぐに帰る道を通らずに、寄り道をしようという突然の発想に身体を任せきっていたのだ。

誰だって子供の頃、ふと知らない道を歩いてみたくなったりしたことがあるだろう。似たようなものだ。ランドセルを背負わなくなってもう十五年近く経つというのに、僕のこの習性は治ることはないらしい。

大通りから外れた細い道路で、何気なく目に映った曲がり角が気になった。

「あんな角あったかな」

普段からそこにあったのか分からない曲がり道を曲がると、たった数十メートル進んだだけで都会の喧騒とは無縁の景色が広がっていた。アスファルトで綺麗に整備された地面に、優雅にそそり立つ無数のガラス張りのビル。さっきまで僕が居たそんな景色は一体何処へ行ってしまったのか、まるで田舎に一瞬にしてワープしてしまったみたいな古びた通り道が現れたのだ。

先程までただ大人しく単純作業のように脈打っていた心臓が、とくんと少し大きく跳ねた。普段と違う。たったそれだけで、僕のちっぽけな冒険心が疼く。

迷いなくその路地に歩を進めた僕は少しわくわくする鼓動を抑えきれず、辺りをきょろきょろと見回した。心許ない外灯を見上げると頭上には空の代わりに深い森のように鬱蒼と繁った木々があり、両サイドには人が住んでいるのかどうかも怪しい古びた木造家屋が並ぶ。錆び付いた郵便受けには苔が生えているものもいくつか有り、もう長らく郵便物が投函されていないことが窺える。

傾斜がついて少し坂道になっている地面は、老人にも優しく上り易い、ゆったりと幅のある石段が続いていた。

そして道の端には、ぽつぽつと適当な間隔で電信柱のような灰色の柱があった。しかしそれは電信柱というには少し細く、よくよく見れば電線も通っていない。外灯が付いているわけでもないそれは一体何の為の柱か分からないが、ただ一本の柱につき数枚の丸い鏡が様々な角度で取り付けられていた。そしてその何枚もの丸い鏡があらゆる角度から、僕が今まで歩いてきた道や先へ続く道を映し出しているのだった。

こんな不思議なところ、もし雑誌にでも載れば○○映えなんて話題になって観光客が殺到するんじゃないだろうか。もう数年はこの辺りに住んでいるけれど、こんな変てこな路地があるなんて今まで全く気づきもしなかった。

そんなことを考えていると、無数の鏡の一枚が僕の後ろをシュッと通り過ぎる何かを映し出したのが見えた。何だろう。一瞬だからよく見えなかったけれど、多分灰色か白の猫のようだった。

…まぁ猫かどうかは分からないけれど、少なくとも動物はいるのか。
気まぐれとはいえふらりと迷い込んだ人気の無い路地に、自分以外の生命体の存在を確認して少し安堵する。

暫く歩くと、遠くにぼんやりと浮かぶオレンジの光が見えた。今までの無機質な外灯の色とは少し違う、暖かみを帯びた色。その光を目指してもう少し進んだところで、赤い扉が現れた。
オレンジのランプはちょうどこの扉の前に掛かっていて、柔らかな夜風に少し揺らめいている。そうして辿り着いた赤い扉の建物は、今まで通り過ぎてきたどの家屋とも違う、古びた洋風建築の建物だった。古びているのは同じとはいえ、ここだけ洋風なのにやけに周りの風景に溶け込んでいる。

そうして鮮やかな赤で彩られた扉はランプの光と相まって艶々と煌めいていて、まるでそこだけ新築のようだった。ふと見ると扉の真ん中の掛け札には「OPEN -if you want-」の文字。

何かのお店だろうか。OPENの下に何やら小さな英字が見えるが、所々霞んでいてちゃんと読み取ることは出来なかった。恐らく上記の解釈で合っているだろう。

何て気まぐれな、というか何て怪しい店なんだ。というかこんなところでやっているなんて、一体何の店なんだ。そう思いながらも、いつの間にか僕の右手は勝手に扉を開いていた。本当に無意識に、丸い取っ手を引っ張った。

カランコロンッと小気味良い音が店内に響くのと少し遅れて、遠くから「いらっしゃい」と僕を出迎える声が聞こえた。…人が居た。店の人だろうか。聞こえてきたのは若々しい、良く通る声。それでいて少し低い、落ち着いた声だった。男の人だろうか。

どこから聞こえたのか分からない声をぼんやり聞きながら、僕はぐるりと店の中を見渡した。

外から見た感じよりも思いの外広い。そして、物が多い。

第一印象としてはあのアニメ映画の、空飛ぶ城の某魔法使いの部屋みたいだなと思った。あそこまで派手ではないけれど、雑多でカラフルで一見して何屋さんかよく分からない。それに、ここにあるのはどれも奇妙で見たことがないようなものばかりだった。

天井からはたくさんの四角いランタンが吊り下げられていて、玄関にあったものと同じくぼんやりと暖かみのある光を放って部屋全体の照明の役割を果たしている。その中には星の形をしたランタンもいくつか混じっていて、遊び心があるなぁ、と思った。見つける度に少し嬉しい気分になる自分も実に単純だ。

そして部屋の真ん中にどんと置かれた大きめの机の上には、おもちゃのような雑貨が所狭しと並べられていた。

赤や青や薄いピンク色のガラスでできた花のブローチみたいなものは、角度を変えて見るとまるでオーロラのように揺らめいてランタンの光を反射する。

隣にある手の平サイズの小さなメリーゴーラウンドには金色のゼンマイが付いていて、くるくる回すとちゃんと音楽と共に動くようになっていた。面白いオルゴールだ。

流れてきた曲は「MoonRiver」。特に洋楽好きというわけでもない僕が曲名を思い出せたのは奇跡だ。

確か古い映画のワンシーンで歌われた曲。映画自体は知らないけれど、窓辺で綺麗な女優さんが弾き語るシーンだけは何故か頭に残っている。

二人の流れ者が、世界を見に旅立つんだ。この世界はまだまだ素晴らしいもので満ち溢れているのだ、と。その後の解釈は正直よく分からない。だけどその優しい音色が僕は大好きなのだ。

オルゴールの響きは決して大きな音ではなかったけれど部屋中に響き渡って、心地よく鼓膜を刺激した。この音はきっと先程挨拶をしてくれた店の人にも届いているだろう。

勝手に商品を触ってしまったことに若干の罪悪感を覚えつつ、僕はもう一度まじまじと店内を見渡した。

大きな窓の反対側にある、壁一面を覆い尽くす程立派な木製の棚。そこにずらりと並んだ小瓶の中には、色とりどりの液体が入っていた。それらはきちんとグラデーションになるように整理されていて、これまた幻想的で美しい。中に花や何かの植物が入っているものもあった。何かの薬なのか、はたまた只の観賞用なのか。

次に奥の壁に掛けられている丸い時計のようなものに視線を移した。遠目には金色のラインに縁取られた紺色の文字盤の、上品な時計に見える。しかしよく見ると、時間を表す数字以外にもいくつかの文字が描かれていた。丸の中にもまた小さな丸があるし、針も長針と短針と秒針の三本だけじゃなくて他にも数本ある。それにそれぞれ違う速さで動いており、結局正確な本数は分からなかった。あれは時計ではないのだろうか。時間以外に、何を計っているのだろう。スイスのベルンにある時計塔のものに似ている気がする。

…一体どんな用途で使うのだろう。
とにかくここに置いてある物のどれもが見たことがないような、不可思議なものばかりだった。

やっぱりこの品々にはあの映画みたいに魔女除けのものも含まれているのかもしれないな、なんて。

ひとまず僕は、ここは不思議な雑貨屋だと思うことにした。考えたって分からないものは一旦置いておこう。

「ふふっ。不思議なものばかりでしょう」

僕が入り口近くで店内を物色していると、今にも抜けそうな木の床からぎいぎいと音を鳴らして先程の声の主が姿を現した。

この人が、この店の…。スラッとした細身の黒いパンツに縦縞模様が入った白いワイシャツ。その上からゆったりとしたカーディガンを羽織り、一纏めにした艶やかな銀髪を肩からさらりと流している。中性的な風貌だ。長めの髪で半分隠された顔ははっきりとは分からないが、ふっと息を漏らして微笑む彼からは一瞬妖しい匂いがした。

…魔法使い。服装は至って普通に現代のものなのに、そう言われても成る程と納得してしまいそうな程神秘的な雰囲気を漂わせている。
恐らくこの奇っ怪な店の店主と思われるその男は柔和な笑みを浮かべたまま、雑多な店内をジグザグに歩いて未だ入り口近くに居る僕に近づいてきた。

満面の笑みで僕の眼前に近づいた男は思いの外背が高く、平均的な身長の僕でも彼と目線を合わせるには少し見上げる必要があった。大人びた雰囲気ではあるが、近くで見ると結構若い。

「いらっしゃいませ」

近くに来てから、もう一度囁かれる。あぁ、やはりこの声だ。

「勝手に入ってすみません。大丈夫でしたか?」

「ふふっ、大丈夫ですよ。貴方なら何時でも大歓迎です。…まさか本当に来てくれるなんて」

「へ?」

「あぁいえ、何でもありません。ここは見ての通り人通りが少なく、お客さんも中々いらっしゃらないものですから」

「はぁ、そのようですね…」

何故そんなところでお店を…なんて野暮なことは聞かないでおこう。

「それで、どうです?何かお気に召すものはございましたか?」

「そう、ですね…」

そう言われてもなぁ…。もう一度ぐるりと店内を見渡すが、やはり魔法使いの部屋みたいだなぁという感想が浮かぶのみだった。或いはちょっとファンタジーな博物館、みたいな。

「面白いものがたくさんあるんですけど、ここは何屋さんなんですか?」

「そうですね…魔法使いの部屋ですかね」

「えっ」

心を読まれたのかと思って一瞬ピクリと肩が跳ねる。店主らしき青年はふふふっと楽しそうな笑みを溢した。

「なぁんてね。雑貨屋みたいなものですよ。ご覧の通りちょっとおかしなものが多いですけれど」

そう言って青年は案内するようにするりと自然な動作で僕の手を引き、店の中央辺りへと誘導した。ひとつふたつ、もうひとつ。僕が気になった品を手にとっては軽い説明をしてくれた。
但しどれも詳しい使用用途は分からないままだ。

それから青年は徐に、壁際にあるあのグラデーションの棚に近づいた。少し屈んで顎に手を当て、何やら考えている様子を見せる。
やがて色とりどりの小瓶の中からひとつを取り出し、僕に見せた。一挙手一投足がやけに優雅で、彼が振り返った瞬間さらりと揺れる銀の髪一本一本にまで見惚れてしまう。

「貴方には、そうですね。こちらがお似合いでしょう」

そう言って青年が差し出した小瓶の中には夜空があった。そう、夜空だ。

外灯も何も無い真っ暗な山奥で寝転がって見上げた時のような、夥しいほどの星が散りばめられた夜空。

何てことはない、よくある魔法の一種だろうと思って僕はさして気にしなかった。
「魔法」の存在を信じている訳では無かったけれど、この店の不可思議な空気に馴染み始めた僕の感覚もおかしくなってしまったのかもしれない。
だってこれだけおかしなものが揃っている店内に、小瓶に閉じ込められた夜空があったって何も不思議なことはないじゃないか。

ただじいっと見ていると、小さな夜空の真ん中にぽかりと浮かんでいるオレンジがあることに気づいた。

これはきっと、月だ。欠けている、月。
三日月だ。

僕には昔からこれが笑っている口に見えて、見上げる度にまるで馬鹿にされている気分になったものだ。
不思議の国のあの森で、消えては現れるシマシマの猫のような。そんな奴に、嗤われている気がして。「偉さが違う」なんて知るものか、と幼い僕はそう思っていた。

しかし青年の色白の手の中で控えめに光るその三日月はずうっと見ていても全く嫌な気分にはならなかった。
それどころか、時間すらも忘れてずっと眺めていたくなるほどだ。

それほど美しいか、と問われれば分からない。
その月は確かに綺麗なものではあったが、「美しい」という言葉だけで全てを表すには少し不十分な気がして、同時に「懐かしい」とか「寂しい」とか「優美」だ何て言葉も浮かんでは消えた。けれどもやはり乏しい僕の語彙力では、その月に「美しい」以外の最適な形容詞が見つからなかった。
小学校の頃先生が本をたくさん読むと良い、と言っていたのが今になって何となく思い出される。

その後暫く青年も僕も何も言わないまま、二人してただじっと小瓶の中の三日月を眺めていた。

数分ほど経った頃だろうか。不意に向かい側から「ふっ」と息の漏れる音が聞こえた。すっかり夜空の世界に浸っていた僕ははっとして、青年の方を見た。

青とも翠とも言えない夜空のような瞳が細められ、薄い唇が緩く弧を描いている。あぁ、まるで三日月のようだ。

「お客さんは、これが気に入ったようですね」

さらりと長い銀髪が揺れて、店の少しオレンジがかったランプの光を反射して輝く。
本当に魔法使いみたいな雰囲気を纏った彼が、夜空の小瓶をことりと木の机に置いた。

「気に入ったというか、とても…綺麗だとは思いますけど…」

…近い。何か近いな。店主と思しき若い男は少し屈んで僕と目線を合わせた。凡庸な僕の顔なんて眺めて一体何が面白いのか、遠慮の無い青年は見透かすような瞳でじろじろと僕を見つめては何故だか嬉しそうに微笑んでいる。

部屋の端の照明が薄暗いところでは良く分からなかったが、明るいところに出てきた青年の顔はとても整っていた。スッと通った鼻筋に男らしく凛々しい眉。しかし少し垂れ気味の大きな目と長く伸ばされたさらさらの銀髪のせいか、やはり中性的にも見える。

そして何より魅力的なのは、先程まで眺めていた小瓶の中の夜のような瞳。先程の小瓶のように、ずっと見ていると吸い込まれてしまいそうだ。

そんな男の僕ですら直視し難いその顔を、青年は更に遠慮無くぐいっと近づけてくる。

「薄明でも真昼間でも黄昏でもなく、三日月のこの夜。太陽のような貴方はもしかしたら朝焼けを好むかもしれないと思ったけれど、他でもなくこれを気に入ってくれた。…とても嬉しいです」

「はあ…?」

この青年の言うことは時々意味が分からない。僕はたった今初めて彼と会ったはずなのに、まるで知ったようなことを言う。占いでも嗜んでいるのだろうか。

「意味が分からない」ということを隠しもせず訝しげに眉を寄せる僕を、優しい眼差しが撫でる。それは今まで向けられたことがないような甘い眼差しで、何だか擽ったくて僕は思わず目を逸らしてしまった。それでも彼は構わず続ける。

「三日月っていうのはね、成長とか希望とか、物事の始まりを意味するとも言われているんですよ。何も無かったはずの暗闇から現れたか細い光がやがて満月となって夜空を照らすように。例えその輝きが太陽には遠く及ばないものだとしても、自身から放たれたものじゃない借り物の光であったとしても、見上げる人々にとってはそんなこと関係ない。暗闇の中でそれは希望。安らぎなんです」

「…なんだかロマンティックですね」

「ふふっ、まぁ大分私の願望が入り混じってるんですけどね。そんな風になれたらいいなぁって…烏滸がましいですけど」

「…?」

「貴方は、太陽です。誰からの光も借りる必要のない、自身で眩しい程に輝く太陽だ」

「えと、はい…?」

「私が月だとすると、貴方無しじゃ輝くことすら出来ない。そこに居たって誰にも気づかれることすらない…無力なんです」

まるで口説き文句のようだ。こんな見目麗しいひとにそんな風に言われてしまったら、多くの女性はきっとイチコロだろう。しかしそんなロマンティックな台詞を僕に言う意味が全く分からない。

「な、にを…?すみません、仰っている意味が、僕にはよく…」

「ふふふっ。なんてね。分からなくて結構ですよ。ただ…」

色白の少し大きな手が不意に伸ばされて、するりと僕の目元を撫でた。柔らかい親指の腹で、恐らく隈が出来ているであろう僕の目元を何度もゆっくり撫でられる。気づけばもう片方の手はぐっと腰に回されて、ぐいっと身体ごと引き寄せられていた。瞬間、寄せられた耳元で「…本当に細いなぁ」という低い声が聞こえた気がした。

何だろうこの体勢。何故僕は出会ったばかりの若者に抱き締められているんだ。一体何がしたいんだこいつは。
だけどなぁ…。

出会ったばかりの他人にここまで触られると普通は嫌な気持ちになるはずだろうに、僕は全く気持ち悪いとは思えなかった。自分でも驚くほど力を抜いて、彼の為すがままになっていた。

彼の首筋からふわりと香る、いい匂い。ミントのような、瑞々しい草みたいな、爽やかな香り。香水なのか彼自身の匂いなのか分からないけれど、何故だかその匂いにとても安心する。

今までどっちかというと他人に触られるのは苦手だったはずなのに、匂いのせいかそれとも本当に魔法にでもかけられてしまったのか、僕は彼の腕の中で驚くほど安心しきっていた。
僕はもしかして面食いだったのかと、自分で自分が少し心配になる。しかしやっぱりこの状況はおかしい、と思う。

「…あの?」

「もっとご自分を大事にしてください。じゃなきゃ私も消えてしまうから」

「大事にって?消える…?」

別に自分を蔑ろにしているつもりは無いのだけれど。というか「消える」って何だろう。烏滸がましい憶測だけれど先程の台詞から察するに…青年は僕を太陽に、自分自身を月に例えてそう言っているのだろうか。この僕が太陽だなんてあり得ないことだと思うが…。頭上にはてなマークが飛び交う僕の身体をより強く引き寄せて、月の青年は続ける。

「まずこの隈。ちゃんと寝ていないでしょう。睡眠時間が不十分なのか、或いは質が良くないですね。それから少し痩せ過ぎです。ちゃんとしっかり食べてください」

「え?あ、すいません…?」

何故僕は先程知り合ったばかりの若者にこんな風に説教されているのだろう。さっきの月の発言と言い、彼はいまいち掴めない。まぁこんな変てこな店の店主と来れば、変てこで当たり前なのかもしれないが。

「じゃあとりあえずこちらに。二階が生活スペースなんですよ」

「………へ?」

にこっと爽やかに笑った青年は僕の手を引いて部屋の奥へ奥へと進む。何故だろう。別に振り切ろうとも思わなかったけれど、繋がれた手は絶対に離されることがないような気がした。

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