頭が痛い時の〜



ソファの上でクッションを抱いてゴロゴロする午前10時過ぎ。

「ん゛―・・・、頭痛い・・・」

「酷く痛む?」

佐助が心配そうに私の顔を覗き込みながら頭を撫でてくれる。

「ん、まだ我慢出来るくらい」

「はー、昨夜遅くまで起きてるから。もう朝方だったでしょ、アンタ寝たの」

「だって・・・、やりたいことやってたらさ、いつの間にか眠気がブッ飛んじゃったのよ」

「眠くなくても、横になってるだけで良いじゃないさ。その内眠れるはずだよ?」

メッと額を突かれながら、ちょっと眉を顰めた佐助を見返す私。こんな時に何だけど。

「佐助ってさー、お母さんみたいだけどカッコいいね」

「・・・それ、褒めてんの?貶してんの?俺様叶ちゃんのお母さんになったつもりは無いからね!」

「やだー、当たり前じゃなーい。でも、持ってきてるんでしょ?頭痛薬。飲みたいから頂戴?」

私が身体を起こして佐助に手を差し出しながらにっこり笑って見せると、佐助は困ったような笑顔になって自分のポケットを探り出す。

「敵わないね、アンタには。はい、ちょっとは自分の健康に気を使ってよ?薬にばっか頼らないでよ」

そう言って私の手に薬を落とす。

「ありがとね、佐助。その気遣いの完璧さが眩しいよ!ホント感謝!!佐助ー、大好きだー」

「はいはい、もう良いからコレ、お水。さっさと飲んじゃいなよ、効いてくるまで30分はかかるんだから」

「うん、ありがと。ね、ちょっと寝ても良い?さすがに睡眠3時間半はキツイ」

薬を飲みこんで、コップを佐助に返しながらそう聞いた。今日は午後から一緒に歩く予定だ。

「良いよ、ベッドで寝てきなよ。俺様洗濯物干し終わったら行くから。一緒に寝て、寝付かせてあげる。お昼まで寝てなよ」

「やた!なかなか寝付けなくて困ってるんだよ。でも佐助が一緒なら眠れる気がする。えへへ〜」

佐助の言葉に口元を緩めながらだらしなく笑うと、佐助がくしゅっと私の頭を撫でた。

「ほら、先に寝室に行って?さっさと洗濯終わらせてくるから」

「はーい。佐助、早く来てね」

私は佐助にそう言って、クッションをソファに戻して寝室へと向かった。



寝室は佐助がベッドメイクを済ませたらしく、ピシッとしていてきれいになっていた。そのきれいなベッドの布団の中に入って、首まですっぽり掛け布団を被る。

「うはー、気持ち良い。何か、眠くなるかも」

しばらく横になってると、うつらうつらしてくる。でもいつもここで結局起きて眠れないでいる。どれくらいそうしていた頃か、布団がそっと捲くられて、隣に佐助が入って来たのを感じた。けれど、意識は起きてるのに身体は寝ていて。佐助は隣に身体を横たえて、私の髪を優しく繰り返し梳いた。その感触が気持ち良いなと感じながら、この時は自然と徐々に意識が沈んでいった。



「叶ちゃん、眠れたみたいだなー」

俺は穏やかな寝息を立てる叶ちゃんを見て、ふっと息を吐いた。安心したように眠る叶ちゃんに何だか優しい気持ちになって、自然と口元が緩む。

「俺様、いつの間にこんな風に感じるようになったんだろ?」

思わず手の甲で口元を押さえると、自分の心の動きに戸惑って頭をガシガシと掻いた。

(でも、悪くない)

そう思って叶ちゃんの頬をそっと撫でると、むにゃって言いながら笑った。起こしたかと思ったけど、どうやら夢を見ているらしい。

「どんな夢、見てんの?」

小さな声で問い掛けるものの、もう深い眠りに入ったのか、叶ちゃんから反応は無かった。眠っている叶ちゃんを少しの間見つめてから、そっとベッドを抜け出した。これから叶ちゃんが起きるまでに買い物に行って、美味しいお昼を用意しておいてあげなくちゃならない。

(アンタにはいつも満足な笑顔を浮かべていてもらいたいもんね)

肩まで布団を掛けなおしてやって、静かに部屋から出ると、財布と俺用の携帯を持って玄関を出る。もしも起きて俺がいなくても、連絡が付くように。いつも持ってろと言われた連絡手段。待ち受けはもちろん叶ちゃん(隠し撮り)。その待ち受け画面に「行ってきます」と声を掛けて、玄関を出た。





―――叶ちゃん、叶ちゃん!お昼だよ!!

―――んあ〜・・・、もうちょっと・・・。

―――だぁめ!もうお昼ごはん冷めちゃうってばっ。起きなさい!

―――うわ・・・、寒っっ!お布団返して!

―――お昼、無しにするよ?

―――今起きます・・・。





頭痛い時の佐助さんwwwあうー、佐助さん、来てくれ。私も良く頭ガンガンしてるのだお?(´・ω・`)

って言うかさ、携帯要らないじゃん(笑)起きねぇしwwwてか隠し撮りはしてると思います。佐助さんに機能を教えると危険www動画とかにとんでもないもの撮られそう。そんでそれ見てニヤニヤしてそう←三郎の考える佐助さん、変態っぽい。


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