≪お風呂≫※微破廉恥、かも。



でも、10分もそうしていると何だか物足りなくなってくる。

「佐助ー、こっち来てー」

「はいよー」

呼ぶとすぐに、返事と共に佐助がバスルームの扉を開けて現れる。

「あのさ・・・、暇なんだよね」

「んもー、ゆっくり出来ない子だね。本とか読んだら意味ないでしょ、アンタ疲れ目なんだし」

「だってー・・・。なら、佐助も一緒に入ろうよ。私一回水分補給に上がるから、その間に身体洗って置いて、ね?ダメ?」

「んふ、ダメ、なんて言うわけないでしょ!叶ちゃんと一緒に入れるんだもん」

返事をするか否かで、佐助はさっさと服を脱ぎ始めた。あまりの躊躇の無さにこっちが恥ずかしくなる。

「ちょ、待って!私が出てからで良いってば。今から出るから!・・・って、もう脱いじゃってるじゃん」

あっという間に裸になって、結局私と入れ違いに中に入る。私は身体をさっと簡単に拭うと、キッチンに向かう。冷蔵庫から買い置きのミネラルウォーターを出すと、ゆっくり少しずつ飲んだ。そして3分の1ほど飲んでバスルームへと戻る。扉を開けた途端、佐助が湯船から立ち上がった。

「おっそーい!俺様待ち遠しかったよ」

「佐助、前!前くらい隠して!!」

「あは、本当に叶ちゃんたら照れ屋さんなんだから〜」

私は佐助に腰に巻くタオルを渡すと、佐助は「こんなの要らないのに」なんて呟きながらも一応巻いてくれた。そして私を手招きして一緒に湯船に浸かる。佐助の膝の間に入って、背を預けると、背後からぎゅぎゅっと抱きしめられた。じんわりとお湯以外の温かさが背中に広がる。

「あ〜、極楽」

「ちょっ、叶ちゃん?おっさん風味とか、雰囲気ぶち壊し!」

「え?だってこれ私の慰安会でしょ?雰囲気要らないでしょ」

「そうだけど・・・、もう、叶ちゃんたら」

呆れた声を出しつつ、「それでも可愛いんだけどね」なんて言いながら、ふにふにっと胸を勝手に揉んでくる。

「もう、佐助!悪戯しないでよ」

「あはー、俺様の手ってばおいたばっかりして、困ったもんだねぇ」

悪びれる様子も無く、佐助は更にさわさわと太腿の内側やら腰やらを撫でる。

「これじゃ癒されるのに集中出来ないってばぁ!」

私が怒って後ろの佐助を振り返ると、佐助は眉をハの字に下げて苦笑を浮かべていた。

「だってこんな風にアンタの身体が目の前にあると、俺様健全な男の子だからムラムラしちゃうんだもん」

「私の癒しのために我慢しなさいよ」

「ムムム・・・なんて殺生な・・・」

佐助はそう唸るように言って、手をやっと退けた。とうとう訪れた本当の癒しの時間と、私はまた背を佐助に預けて、この気持ち良さを堪能する。

「ねー、佐助ってさ。私が居ない昼間何してるの?」

ふと思いついたことを、いい機会だと佐助に問い掛けてみた。そうしながら片手を、お湯をちゃぷんとならしながら湯船に沈めた。それによって出来たぷくぷくっと上る泡が、水面で小さく爆ぜる。小さい頃よくやったななんて、思い出し懐かしみながら何度も泡を作る。

「んー、叶ちゃんが出ていってからは、大体洗濯を回して掃除機かけたり窓拭いたり掃除して〜、それでも時間が余るとお昼の支度までして、洗濯干してぇ。えーっと、それから買い物行ってお昼でしょ。食べたら鍛錬しに出掛けて、途中で洗濯とか取り込みに戻ってまた鍛錬して、それから夕食作って帰って来るの待ってる」

「・・・・・・佐助君よ、すごい立派な主夫ぶりだね。私、働いてなくて専業主婦になったとしても、そこまで完璧な主婦業出来ないわ・・・」

泡を作るのに飽きて、身体の脇にある佐助の足に付いた細かい気泡を取りながら、佐助の語る日常を想像して感心した。

「んふー、俺様アンタのためだって思うと頑張れるんだよね〜。それに、任務より断然楽だから」

「そっかぁ・・・」

佐助のこれまでの人生がどんなものなのか、知ることは出来ないけれど、絶対に今の生活より厳しかったであろうことは確かで。私は佐助が少なくとも今、前よりゆったり出来ているという言葉だけで良かったと感じた。

「佐助?たまにはのんびりしててね。お昼寝とかしたら良いのに」

「うん、ありがとう」

後ろから肩口に寄せられた頭を撫でてやると、大きな猫は甘えたように喉を鳴らす。

「って、猫はそんなことしないっつーの!」

猫みたいだと思っていた自分の愚かな考えを打ち消して、佐助によって今や危ぶまれる身体を守るべく、巻き付けているタオルの端を押さえた。それでも隙間から手を差し込まれ、直接胸に触ろうとしてくる。

「だって、叶ちゃんたら可愛いこと言うんだもん!俺様、せっかく我慢してたのに、もう限界!!」

「ちょ・・・っと、何がどうしてスイッチが入ったの!?」

佐助のスイッチの入りどころが分からないまま、佐助の手がタオルを狙うのを阻止する。

「んー、隙あり!」

佐助はニッと笑みを浮かべると、素早く私のタオルを剥ぎ取った。

「ぎゃああ、何すんの!」

「ぎゃあとか、もっと可愛い声で啼いてよ」

「『なく』意味が違うでしょ!」

私のツッコミにへへっと笑いながら佐助が私の身体を捕まえた。そして、ゆっくりと身体のラインに沿って撫でる。その動きがもう私の意思を越えて身体を熱くさせる。

「叶ちゃん、だぁいすき」

背後から耳元で囁かれる佐助の低音ヴォイスに、ぞくっと身体を震わせた。私が佐助の声に弱いのを知ってわざとやっているに違いなかった。しかも浴室という音響的に良く響く絶好のシチュエーション。いつの間にか浮かべられていたアロマキャンドルは窓際に纏めて置かれていて、怪我の心配も無くされている。

「佐助、ずるい・・・」

「何が?」

そう問いかけながら、佐助は私を背後から抱きしめる形でピッタリとくっ付いて、うなじにチュッチュッとキスを落とす。手は露わになった胸の上でゆっくりと味わうように動かされ、足を絡め合う。残された佐助の腰に巻かれたままのタオル越しに、佐助のものが質量を増して主張して尾てい骨あたり当たるのに、いやらしいまでに自分の子宮が反応していた。

「声・・・。弱いの、知っててやってる・・・でしょう?あ、佐助・・・、お風呂はダメだって。のぼせ、ちゃう・・・から・・・はぁ・・・」

胸の頂を指で擦られるように弄られ、首筋に吸い付くように唇を這わせられると、脊髄を快感が上って行く感覚を覚えた。

「んふ、そりゃ何でもアンタを誘惑出来るものなら、使わせていただくよ」

「俺様で乱れるアンタが見たいんだ」とまた耳元に唇を寄せられ、囁いた後に舌の先端で耳の輪郭をなぞる。

「ひゃあぁぁ・・・っ!はふ・・・、耳もっ、ダメ!!ね、本当続けるならベッドでしよ?」

「えー、どうしようかな?だってせっかく叶ちゃん、感じてきてるのに」

胸を離れた佐助の右手が、ツツツと下腹部を通って私の中心に伸ばされる。そこはお湯の中でも分かるほど濡れていて、佐助ので満たされるのを待ちわびていた。

「ああ、でも大事なアンタが上せちゃったら困るもんねぇ」

そう言いつつ、首筋を舐めながら秘芽を弄られる。佐助の指に私の身体がビクビクと反応し打ち震える。「ああ、困った」なんて本当は困ってない声で佐助が楽しそうに呟くのに、私は眉根を寄せてみせた。

「佐助・・・」

「分かった、分かりました。怒った顔も可愛いけど・・・、んじゃ続きはベッドに行ってからね」

そう言うとザバッとお湯から立ち上がって湯船から出ていく。私を横抱きにして。

「え、ちょ・・・、自分で立てるから!」

「んふふ、俺様がササーっと拭いてあげる〜。んで急いでベッド行こ!」

佐助は楽しそうにそのまま脱衣所に出て、本当にあっという間に私の身体から水滴を残すことなく拭き取り、上着を一枚羽織らせてくれる。次の瞬間には佐助もジャージの下だけ履いて居り、頭がついて行ってないまま気付けばベッドの上に移動が完了していた。

「早・・・っ!どうやってやったの!?」

「えー?それはほら、忍のやることですから、何でもアリでしょ〜?」

「こんなことに能力使うとか・・・!本気でムダだと思うけど?」

「良いの!ね・・・、ほら、もう黙って?俺様とイイコトしよ?」

佐助が私の身体に覆いかぶさるようにして顔を近付ける。

「うん・・・、そうだね」

目の前に迫った佐助の顔に、自分も顔を寄せながら首に腕を回した。佐助の手も腰に回され、枕に一緒に倒れながら唇を合わせた。


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