仲直り、そして深まる愛情



八万hit企画作品/文哉様へ
※微裏(?




正十字学園の理事長であるメフィスト・フェレスは私の恋人だ。そして、そんな彼の学園をただ歩いていた時だった…メフィストさんの姿を見掛けたのは。声をかけようとした瞬間…耳に入ってきたのは楽しそうなメフィストさんの声、そして可愛らしい女の子の声だ
思わず頭が真っ白になった私は無言で来た道を引き返した



「っ…う、そ…」



もしかしたら誤解かもしれないのに…。なのに私の瞳からは涙が出てきていた。そのことに自分の信用の無さを痛感した。早く立ち去りたくて早歩きで下を向いて歩く…

―そんなとき突然誰かにぶつかり転びそうになったが、腕を引かれてそれはまのがれた。泣いている、というのも忘れて前を見ると短髪の男の子が丸い目をして私を見ていた



「あ、え…あ…ありがとうっ…!」


「いやっ!…それよりどこか打ったのか…?」



男の子の青い瞳は私の目を見ていて泣いているということを思い出した私は急いで服の袖で涙を拭った



「ごめんね…大丈夫、だから…」

「…なあ、とりあえず服で擦るのは止めろよ。赤くなっちまうぞ?」



そういって私の腕を掴んではにかむ彼の笑顔はとても眩しくて…でも距離が近いということにすぐに気付いて離れようとしたときだ…




「…おや、奥村くんじゃないですか」


「あ?…メフィスト!お前学園に居ていいのかよ。前理事長はうろつけないとかいってなかったか」

「今回だけはいいんですよ。…彼女を連れていくだけなので」




奥村くんと呼ばれる彼と話していたときは弾んだような声だった…だけど、私の会話になった瞬間だ。彼の空気が変わったのは



「、メフィストさ…」


「…行きますよ」




強く腕を掴まれて思わず苦痛の声が出る…メフィストさんが可笑しいことに気付いたのか奥村くんは止めようとしたが煙に包まれて気付いたら理事長室に居た





「…メフィスト、さん…?」


「貴方も人が悪い。私が理事の学校で浮気ですか」


「……は、…?」



なにを言ってるの?浮気…、なんてそんなのしているのは寧ろメフィストさんのほうじゃないか



「いいんです。私に飽きたならそう言えばいい。何処にでも行ってしまいなさい」


「な、んなんですか…っ?さっきから」



彼の言葉に耐えられなくて声を上げた。泣きそうになってどうしたらいいか分からない状況で…



「言った通りです。」


「、浮気…って…さっきの子とです、か…?そんなのするわけないじゃないですかっ」


「…手を握っていたでしょう」




―今、何て…。手を握っていた?いや確かにあの男の子には手を掴まれたけど…それだけ?
そう思ったら急に安心してボロボロと目から涙が出てきた。安心したからかもしれない…。メフィストさんはそんな私を見ると焦ったような表情になる



「…あ、の…あれは…メフィストさんが女の子と居たのをみて…楽しそうで…。…なんだか無性に悲しくなって泣いてたのをあの男の子に心配してもらって…それで…」

「もういいです」




嫌われた、言い訳だと思われたのかもしれない…そう思ってメフィストさんの顔を見るために上を向くと目の前にメフィストさんが居てキスをされた




「…ん、むっ…!」



「…、…すみません。誤解していたようだ…どうやら私は貴方のことになると冷静な判断が出来なくなる」




痛いほどに抱き締められてメフィストさんの腕の中に納まる。でも、その痛みさえも痛いとは思えなくて自然に私は微笑んでいた



「でも、もう私以外の男に触らせないで下さいね?…でないと、」


「…でないと?」




メフィストさんは小さく笑うと私を横抱きにして指を鳴らしたするとそこは寝室でそっとベッドに押し倒された



「ここで教えてあげますよ。…後で、ですけどね?」




そういって再度重なった唇。ああ…きっと、あんなに苦しくて、こんなに愛しいのは、貴方を愛しているから。





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