素敵な恋をありがとう



八万hit企画作品/奏人様へ





私の上司は名誉騎士であるメフィスト・フェレスだ。彼は、悪魔ということで他の祓魔師達からは良いように思われていないようだが私は違う。メフィスト様優しい方でそして偉大な人だ…そしてそんな彼を私は主従関係でありながら好きになってしまった





「では、これをお願いしますね」

「はい。了解しました」


「…貴方は本当に良く働いてくれる。期待してますよ」



メフィスト様の大きな手が優しく頭の上に乗せられて撫でられる…私は笑みが零れるのを必死に我慢した




「あ、りがとうございます…、あの…それでは…」


「…あれー、兄上。お邪魔でしたか?」




突然天井から緑色の髪をした男の子が…降ってきた。帰ろうとした足は思わず止まってしまいメフィスト様へと視線を向けると露骨に嫌な顔をなさっていました




「…アマイモン。」



「これが兄上が好いている人間ですか?…ふーん…。僕には何が良いのかサッパリですけどね」


「え?」






突然現れた彼の言葉に思わず動きが固まった。そうしているうちにメフィスト様は指をパチン、と鳴らして少年を消してしまった




「…あ、の…」



「…」



沈黙…。私も頭の中が可笑しくなって暫く話せそうになかった…。すると、突然メフィスト様が椅子から立ち上がった



「名前。」


「っは、はい」



しまった声が裏返った…。その恥ずかしさで顔が熱くなる…けどその次の言葉で私はさらに熱くなる羽目になった




「好きです」




包み隠さず直球に言われた言葉。あのメフィスト様が私を…?…そ、んな…畏れ多い…。確かに私もメフィスト様を好きだけど…ずっと片思いだと思っていたから…
頭の中がさらに可笑しくなる。メフィスト様はコツコツと私の方へと近付いてきた



「…あ…わた、しは…」


「いいんです。…貴方が私のことをそういう対象で見ていないのは分かってますから」





そういう対象で見ていない?何を言っているんだ。人の気持ちもしらないで…。
何だか無性に悔しくなった私はメフィスト様に勢いで思い切り抱き付いた



「私も好きです」


「…な…?」



「いつも鋭いのにこういうことは鈍いんですね」



正直正気じゃなかったと自分でも思う。なんでこんなことをしたのだろうと…しかしそんなのもメフィスト様が抱き締め返してくれたことで吹き飛んでしまった



「…アマイモンに感謝しなくてはいけませんね」


「っ…、はい」





今まで聞いたことがないくらい優しい声に私は涙が出そうになった。



―大好きです、メフィスト様




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「見えない臓器の名前は」
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