私の愛くるしい大切な君



八万hit企画作品/ユウカ様へ




名前は私が幼い頃から育ててきた大切な存在だ。彼女は歳を重ねていくうちに段々に魅力的になっていった…そんな名前を何の穢れも傷みも苦しさも感じさせたことはない




「メフィストさま?」



「…ああ、名前。今日もいい子にしていましたか?」


「はい、メフィストさまのいう通りにお外へも出ていません」


「そうですか。…いい子だ。こっちに来なさい」




そっと腕を広げると嬉しそうに私のほうへと飛び込んでくる名前。彼女の存在は誰にも明かしていない…何故ならば名前には悪魔を引き寄せる声を持っているから。彼女の声は悪魔を魅了して狂わせる…。まあ、それはある一定の高さではないと発動しないのだが



「名前。」


「はい」

「貴方にとって外は危険以外のなにものでもない…ここに居るかぎりは安全ですからね」



まるで全てわかったというように名前はにっこりと笑った。…ああ、なんて愛おしくて…純粋なんだろうか。



「メフィストさま…メフィストさまはわたしのためにお外にださないのでしょう?」


「…そうですね」


「ならわたしはお外に出られなくてもかまいません。メフィストさまが一緒にいてくれるなら」




名前は本当に…。私はいつも窓から外を羨ましそうに見ているのを知っている。だけど、だからこそ彼女を外には出せない



名前が傷つくことが一番恐ろしいから。
―だから今はこのままで…
そう心のなかで呟いて小さな身体を抱き締めた




END...menu

「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -