絡めた指が愛になる



八万hit企画作品/日向様へ





貴志君、北本君、西村君、田沼君と私の五人でプールに遊びに来ることになった。理由は私がたまたま貴志君達がプールに行く計画をたててるときに偶然通りかかって誘われて、断るのも悪いと思ったから誘いを受けた



「わあ、人一杯…」



更衣室で水着に着替えてプールへと行くと思った以上に人が居て思わず声が漏れた。すると直ぐに四人も水着に着替えて私の方にやってきた



「おお、名前ちゃん可愛いじゃん!」


「…え?…あ、いやっ…そんな!」




突然現れた西村君に言われた言葉に焦って貴志君達に視線を向けると皆顔が赤かった



「ちょっと露出し過ぎじゃないか…?…なあ、夏目…」

「なっ、…なんで俺に振るんだよ北本…」



コソコソと何か話している貴志君と北本君…それを気にしているといきなり西村君に腕を引かれた



「荷物はさ夏目達に任せてプール行こうぜ!」



「え?…わっ…!」




貴志君はそんな私に気付いたのか西村君が掴んでいないほうの手を掴んだ。



「なんだよー夏目?」


「、…あ。…俺も行く、よ」




何か言い掛けた言葉を濁すように無理矢理笑顔を作ったような貴志君…そんな彼を不思議そうに見ていると私の腕から西村君の手が離れた




「夏目と名前は荷物を見ててくれ。…ほら、北本、西村。行くぞ」


「は?ちょっ、田沼!」

「荷物よろしくなー」




西村君は無理に連れられてしまったが私はこうして貴志君と二人きりになった。そして、とりあえず座ろうという話になり設置してある椅子に二人並んで座った




「…貴志君?」



「…ん?」



「楽し、いかな。私が居て…邪魔じゃない?」




本当は私は居なかったはずなのに…。男の子達だけで来たかったんじゃないんだろうか…そんな疑問を昨日から考えていた
すると貴志君は優しく微笑んだ




「楽しいよ、凄く」


「…そっ、か…。プール行かなくていいの?」



「名前を一人にしたら絶対悪い虫が寄ってくるだろ」




なにそれ、と言いながらクスクスと笑いあう。…ああ、いつもの貴志君だ…そう思ってさっき一瞬だけ可笑しかったことを言って見ると貴志君の白い肌が段々赤みを帯び、そして私の手をそっと掴んで指を絡ませた





「……嫉妬してたんだ」


「え…」



「名前の水着姿は…その、可愛いし…それに…西村に先越されて…」


「貴志くん…」





私の体温も徐々に上昇していくのが分かる。二人で赤くなりながらお互いに笑いあって…今度は二人で行こうと約束をした







END...menu




BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
- ナノ -