SummerStory プールといったら普通は人が沢山いるものだ…なのに人が一人もいないとはどういうことなのかと疑問に思いながらも渡された水着が何処か着慣れなくて巻いていたタオルを強く掴んだ。すると浴衣を着たメフィストがいつの間にか椅子に座っていた 「…、なんで人が一人も居ないの」 「それは勿論貸し切りだからです。」 「か、貸し切りっ…?」 流石と言うか何というか…とにかく私は絶句するしかなかった。するとメフィストは私のほうを見て不快そうな顔をすると「タオル」と一言呟いた…タオル? 「何故タオルを巻いているのですか。」 「恥ずかしいから…」 「恥ずかしい?私と貴方しか今ここには居ませんよ。」 その貴方が居るから恥ずかしいと分かってはくれないだろうか…メフィストは浴衣を着ているし一人だけ水着というのは何だか恥ずかしいと思った 「…何の為に貸し切りにしたと思っているんですか」 「え…わっ、め、メフィストっ?」 いきなり腕を引かれて抵抗も出来なかった私はそのままメフィストの胸のなかにダイブそして呆気なくタオルを取られてしまった 「っ…!」 「私が見立てただけはありますね。よくお似合いですよ」 「…それはどうも」 淡い紫色をしたビキニ。普段から露出の少ない服を着ている私にとっては着慣れなくて当たり前のものだ 「私だけでいいですから…貴方の水着姿を見るのは」 「…なんかそれ嫌です…」 赤くなった顔を隠すものは無く俯くと覗き込むようにしてメフィストが耳元に唇を寄せた 「他の奴に名前のこんなに可愛らしい姿を見せる訳にはいかないので」 楽しそうに笑い私の耳を甘噛みするメフィストは相当性格が悪い…そして私はそんな彼に相当溺れてしまっているのだった END...menu |