憎しみだけで息をしているきみへ ※獅郎の弟子設定 お願いだから返してください。 いくら言っても叶わない言葉、どんなに願っても… なら、復讐するのがあの人の為ではないだろうか 「こ、ろしてやるっ…!」 「貴方にしては取り乱しすぎではないか?」 「黙れ!悪魔のせいで…あの人、は…」 「…私の所為にしますか…どうやら思考まで可笑しくなっているらしい」 銃を構える手が震える。師匠の友人という彼、メフィスト・フェレスは悪魔だ…私みたいな護身術程度にしか銃を扱えない素人には 「名前。噂には聞いていますよ、相当悪魔を嫌っているらしいですねえ」 「っ、喋る暇があるの」 「まあ、落ち着いて。…ふむ、貴方がしているのは只の自己満足では?それで藤本神父が喜ぶと?」 「うるさいっ…私には…これしかっ…!」 そう、私にはこれしかないのだ。今まで面倒を見てくれた師匠の突然の死…私は何もできなかった だから師匠が望もうが望まないが関係ないんだ 悪魔という存在がなければ藤本獅郎が死ぬということ事態が起こらなかったのだから 「憎しみだけの君は実に面白くない」 「面白くない…?面白いとか面白くないは関係なっ…!」 一瞬だった…一瞬で私の手から武器が無くなっていた 驚いて目を見開いていると目の前に歪んだ笑みを浮かべた顔 「下らない復讐に時間を費やすくらいなら優秀な祓魔師になるために努力したらどうですか。それが藤本神父に対しての礼儀では?」 「な、んで…貴方なんかに説教されたきゃ…」 言い返せなかったメフィストの言葉を。余りにも正論で…私よりも師匠を知っていることは最初からわかっている、ただそれが自分のなかで認められなかっただけで 「…私は…優秀な祓魔師になれますか…?」 「なれますよ。…まあ、それも貴方次第ですがね」 その言葉を待っていたと言わんばかりに笑みが深くなる そして、いつの間にきたのかピンクの長い車が私とメフィストの前に止まった 「さあ、行きましょうか。祓魔師になるために」 私に向かって差し出された手。それを振り払い勝手に車に乗り込んだそれが面白かったのか分からないがメフィストは大笑いしている 待っていて下さい。師匠… 立派な祓魔師になってみせますから END...menu |