夢の中だけ逃避行 30000hitリクエスト作品 柚菜様へ 恐ろしい夢を見ると眠れなくなる。そんなことがたまにあった… 何時だか分からないが夜中の真っ暗な頃に私は布団から勢いよく飛び起きた 呼吸が落ち着くまで心臓を押さえて必死に息を繰り返す 「…、はあ…」 ようやく落ち着いたが一人では眠りたくなかった 部屋から出てメフィストさんの部屋を見るとドアの隙間から光が差し込んでいた。その部屋の前まできて扉をそっと開いて隙間から覗き込むと… 「名前?こんな夜中にどうしたのですか」 「っわ…メフィストさん…!」 突然少しだけ開いていたメフィストさんの手によって開かれてしまった メフィストさんは浴衣を着ていて私を不思議そうに見ている… 「…あ、の…!」 「…まあ、取り敢えず中には入りなさい。冷えますよ」 メフィストさんに促されて部屋の中へと入る。…どうしよう…怖い夢を見たから一緒に居てほしいなんて…言えない。恥ずかし過ぎる 「…で。どうしました?」 「え…と…さっき、怖い夢を…みまして…」 「なるほど、それで怖くなったと?」 「…は、い…」 呆れられるだろうか。こんな歳にもなって一人では眠れないだなんて… 「丁度私も眠ろうと思っていたんですよ、一緒に寝ましょうか?」 「え…!?」 「おや、嫌ですか」 「ち、違います!是非お願い…します…」 と、メフィストさんの提案で一緒に寝ることになってしまった訳だが… 「ほら、遠慮せずにどうぞ」 「は、はいっ…」 先にベッドに入り自分の隣をポンポンと叩いている場所に遠慮がちに横になる…あ。温かい… 「…あの、すみません…でした…我が儘言って…」 「こんなに可愛らしい我が儘なら大歓迎ですよ」 「っ…、もう…」 優しく抱き締められて背中を優しく叩かれる。ただそれだけのことなのにひどく安心して直ぐに眠気がやってくる 「……メフィ、ストさ」 「はい」 「おや…すみなさい…」 「…おやすみなさい。名前いい夢を」 夢で会いましょうね。 夢で会ってそしたらどこか遠くへ行って、朝になったらおはようと言うんだ END...menu |