Ao no Exorcist | ナノ

とある悪魔の暇潰し



30000hitリクエスト作品 翼様へ




「…ここが、物質界…」



もう辺りが暗くなり始めている頃に、少女名前は一人正十字学園の中を彷徨っていた。初めてみるものばかりで視線は泳いでばかり…物質界の人間には有るはずのないものを隠すのを忘れるほどに



「悪魔!?」


「……、?」



名前を視界にいれた人間は直ぐに分かってしまった。彼女が悪魔だということに…その叫び声を聞き付けた人々が家の中から出てくる。さすがにマイペースな名前も不味いと思ったのだろう、そう言えば昔よく遊んだ兄様が物質界に来ていることを思い出す



「…兄様の処に行こう」



しかしどう行こうか…
そんな事を考えている内にも人間は集まってくる。すると名前の体がポン、と音をたてて煙と共に消え去ってしまったのだ




ヨハン・ファウスト邸。そこに住んでいるメフィスト・フェレスは正十字学園の理事長ということでその中で起こったことは殆ど把握しているのだ

そして名前を消した…というより移動させたのも彼だった



「…ここ…は」


「名前」



懐かしい声が聞こえて顔を上げる。するとそこには会おうとしていた人物がいた



「兄様、お久し振りです」


「ああ…それよりも、何故物質界に居るのです?」



何故此処にいるのか。そんな事名前は分からなかった何故か虚無界から追い出されていつの間にか物質界に居たのだから



「…つまり、原因は分からない、と」


「はい」


「…まあ、名前のことはアマイモンが来たときに父上に聞くことにしますよ。それまでですが…」



「フェレス卿!」


「…ああ」



扉が力強くロックされるやはり来るとは思っていたんだ。しかし今開けられたら名前を見られるのは間違いない



「…悪魔のことでしたらもう方がつきました。他のものにもそう伝えておいて下さい」


「はっ、了解しました。失礼致します」



取り敢えず今はこれでいいだろうとメフィストは安心する、そしてこの騒ぎの発端でもある名前はメフィストのデスクの上にある置物やらを弄って遊んでいた




「名前、お前は暫くここに」


「…置いて下さるのですか」


「仕方なくですよ。父上と連絡が取れるまでです」



普通の少女だったら人間でも悪魔表情の変化はあるものだろう、しかし名前は笑顔も何も見せない。それがメフィストは苦手、だった




「兄様……ょ…ろ…、」



「?」



「宜しく…お願いします…」




真っ白で雪の様な頬がほのかにピンク色になる。それだけのことなのにメフィストは酷く驚き目を見開いた…
そして、この少女をただ置いておくだけではつまらないのでどうしようかと考えて自然と笑みは深くなっていった




悪魔というリスクを背負った彼女がこの先どうなったのか?それはこの悪魔しか知らない






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