Ao no Exorcist | ナノ

そして恋へとなっていく



10000hitリクエスト作品 柚菜様へ



なんと、あのメフィストさんにデートに誘われてしまった。


…もう一度言うあの、メフィスト・フェレスにだ




「…まさかドッキリとか、ないよね…」



今さらそんな心配をしてきた…もう服も着替えて待ち合わせ場所と言われたところに来てしまって居るというのに

慣れない服や靴を着たせいか周りの視線がとても気になった…もしかしたら似合ってないのかっ…!



どうしようかあたふたしていると私の居る前の道にパッションピンクの長いリムジンが止まる。
そして後ろら辺の扉が開くとそこからは私が待っていた人が現れた



「やあやあ!名前っ」


「ど、どうもです…メフィストさん…。」



まさかこんな登場の仕方をしてくるとは予想すらしていなかった。メフィストさんはいつものハットは被っていなく軍服のようなものを着ている
こうして本人を目の前にすると酷く緊張してきた



「あの、メフィストさん…私視線が多い気がするんですが…今日の格好、変ですか…?」



「変?とんでもない、よくお似合いですよっ」



読めない…大体何故私を誘ったんだろう…。いきなり私の前に現れて「明日デートしましょうっ」だなんて…
何故だと考えだすと自分の体質上止まらなくなるのだ



「……っえ?」



不意に手が温かくなる。そして自分の手を見ると紫の手袋をした大きい手が私の手と手を繋いで、いる…視線を上げて隣にいるメフィストさんの顔をじっとみるとなんですかと言われてしまった



「あの、手…」


「いやでしたか?」


「とっ…とんでもない!!」



勢いよく否定したせいで声が裏返ってしまってメフィストさんに笑われた…恥ずかしい。



「…ああ、すみません。手を繋いだのははぐれない為ですよ」


「そ、そうですか!」



はぐれないため、分かっているのに酷く緊張してしまう。
こんな…手を繋いで街を歩くなど人見知りの私には無縁すぎる話しだ






一体どこに向かうのだろうと思っていると着いた場所は駄菓子屋だった。…予想外、と言ったら怒るのだろうか。しかしもっと豪華なところに行くと思ったのだから仕方ない



「ここの豚モチもんじゃは私の好物なんですよ」


「もんじゃですか?」



一昔の雰囲気を思わせる建物のなかに入り座る。材料が運ばれてくるとテーブルの上にある鉄板で焼き始めた


「…名前、こういうのは嫌いかな?」


「えっ、いえそんなことないですっ…というよりこっちの方が気が楽…とか」


「…正直ですね。」



そんな会話をしているうちにもんじゃは焼き上がったようで美味しそうな匂いがする
小さなヘラを使って食べるらしく初めて食べるもんじゃに多少戸惑っていたが口に含むととても美味しかった



「わ、あ…おいしいですっ…」


「それはなによりっ」


「あ、…今日は本当にありがとうございました」


「なんですか、急に。私が貴方を誘ったんですからお礼を言うのはこちらの方です」



それはそうなのだがとてもお礼が言いたい気分だったんだ…いつもいつも祓魔師になるために頑張りすぎて息抜きなんて……



あれ。もしかして、そのせい…とか?



メフィストさんは他の人には変な目で見られがちだけど本当に紳士的なのかもしれない



「ついてますよ」


「え、なにが…っ!!」



考え事に夢中になりすぎてすぐそばまで来ていたメフィストさんに迂闊にもまったく気付いていなかった…
唇の端になま暖かいものがぺろりと……


「なっ…な、にして…っっ」


「もんじゃの食べかすが付いていたので取っただけですよ?」


「く、口で言えばいいじゃないですか!」


「それでは面白くないでしょうっ」




撤回。訂正しよう…この人は自称紳士だということに。

…でもまあ、楽しめたからよしとしようか…な?

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