貴方の笑顔があればいい 10000hitリクエスト作品 エマ様へ 「なあ、名前」 「なーに?燐くん」 (…) 祓魔塾。奥村くんと話しをしている名前ただそれだけなのにメフィストは無性に苛つきを覚えていた (ああ、この私が嫉妬か…) 犬の姿に変装し、こうして生徒達の授業を見ているがどうにも落ち着かない。そしてやっと授業が終わる 時刻はもう夕方になり姿を戻して廊下を歩く、それは彼女を探すためでもあった…そして暫く進むとやはり名前がいた 「…メフィストさん?」 「名前」 「な、っ…」 振り返った彼女をそのまま無理矢理壁に押し付ける。 驚いて目を見開いている名前と目が合った、どうやらどうして私が苛ついているのか分からないようだ 「め、メフィストさ…?」 「わざと、ですか」 「へ…?」 「奥村くんと楽しそうに話していたのは私に見せ付けるためかと聞いてるんだ」 苛々する。こうして下らない嫉妬で彼女の表情を曇らせている自分に一番苛々した 「…あ、の…ただ話していただけです、よ」 「知っていますよ。…ただ私の詰まらない嫉妬です」 「嫉妬…、妬いて、くれたんですか…?」 「…はい。笑って下さって構いませんよ」 自虐的に笑う私を名前は馬鹿にしたように笑うのではなく微笑んだ。 「…嬉しい、です…あの、私メフィストさんに見向きもされてないんじゃないかなって思っていて…」 「私が貴方に見向きもしてない?」 「え、は、はい」 そんな馬鹿な。こんな風に嫉妬をして愛しいと思うのも彼女、名前だけだ。 見向きもしないだなんて有り得ない そのことを伝えると本当にうれしそうに微笑んだ そしてその笑顔を見ただけなのに何故か苛つきなど無くなっていて、名前の笑顔に酷く安心していた どうやら本当に、この彼女に溺れてしまっているようだ END...menu |