it's up to you



※ひど臨也、静雄の妹



平和島静雄には弟の他に妹がいる。これはあまり周りには知られていない情報だ。俺は彼女に自ら接触して会話をした。シズちゃんと本当に血が繋がっているのかと思うくらいに非力な子で拍子抜けした




「やあ、平和島名前ちゃん」


「…折原、さん」


「そんな怯えたような顔しないでよ。今はまだ何もしてないでしょ?」




今はと言う俺は相当嫌な奴なんだろう、彼女の背は低く俺を見上げるように見ているそんな所も酷く虐めたくなる…。名前は賢かった。単細胞なシズちゃんとは違って直ぐにそいつが何なのかと見分けることができ、俺に対する態度も数回会ってから改めた




「君はほんとシズちゃんと血が繋がっているなんて思えないぐらいに賢い。…でもね、どんなに恨んでも平和島静雄と君は血族なんだ」


「分かってます…でも、私は兄さんと家族なことを恨んだことはありません」




「ふーん…骨折られたのに?」





その言葉を発したとたんに面白いぐらいに彼女の体が震える…そう何故知っているのかと思っているのだろう。勿論この情報を知ったときは俺も多少は驚いたでもそれと同時に楽しさともいえる感情がこみあがった




「名前ちゃんはさあ…シズちゃんが、実の兄さんが怖いんだろ?」



「…ちが、います…っ」


「もしかして家族だからとか無理してる?そんなの必要ないよあんな化け物に」


「化け物じゃないです!兄さん、は…優しいんです…私を守ってくれて…」




あんなのが兄なんだから妹である名前は学校ではいじめを受けていた…そしてシズちゃんはそれを守っていたらしいがさすがに学校の時間は無理だろう…彼女はクラスで孤立していた。つまり名前は優しさが欲しいのか。


―ああ、なんて人間は愛おしいんだろう!




「…名前」



か細い腕を掴んで自分のほうへと引く俺のほうへと倒れこんできた名前は何が起こったのかよく理解していないようだ






「俺が優しくしてあげようか?…と言いたいところだけどさ。世界で一番嫌いなシズちゃんの妹だなんて…正直触ってるのも嫌になる」





―さあ、早く絶望に染まった滑稽な君の顔を見せてくれ


(全ては君しだい)


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