そんなこんなで巡る日々




パソコンに向かい色々な情報掲示板を見て回る。なにか面白いことは書いてないかとこうして既に30分は経っている


「…ふーん…」



とある書き込みを見てスクロールしていた手を止め声を漏らした…"あの平和島静雄が女と居た"それには写真が添付してあってそれをクリックし見てみると動きが止まった




「名前…?」



なんとその女と言うのは名前のことだったのか。仲が良さそうに二人並んで笑いあっている、それをみただけで無性に胸が騒ついた



ファーが付いている黒いコートを手に取り玄関から外へ出る。迷わず向かうのは池袋だ







平和島さんと少し話をしてどこに行こうかなと迷っていたときだった。突然後ろから抱き締められたのだサンシャインシティの人が集まっている場所で


「、な…!」


「名前は酷いな、俺というものがありながらシズちゃんと浮気?」


「臨也っ…ちょっ、離して!」



何時もの真っ黒い格好をしている折原臨也だった。知らない人ではなかったのは幸いだが先ほどから沢山の人に見られている…それが恥ずかしくて堪らなくなった



「やだって言ったらどうする?」


「っ馬鹿言ってないで早く…」

「…馬鹿は名前だろ」




さらに力を強められて呼吸をするのが少し苦しくなり、離れようとしてみるが無駄なことだった
臨也がなんでこんなことをするのかは大体分かっていたきっと何らかの方法で先ほどまで平和島さんと会っていたのを知ってしまったんだろう




「臨也は、いいの?」


「…なにが」


「…可愛い女の子とかと話してる…」



臨也の嫉妬も下らないと思うが私も同じようなものだった



「へえ、名前からそんなことが聞けるとは思わなかったな」



「臨也だって…らしくないよ」




結局二人とも何時も通りじゃない。彼にも考えがあってのことだろう、じゃなきゃ街中で嫌でも人に見られてしまうことをする訳が無い



「ねえ何でこんなことしたの…」

「理由が必要かい?俺はただシズちゃんと一緒にいた名前に苛ついてこうして池袋に来たんだ。…それに此処なら色々と都合がいいしね」



「…意味分からない」


「分からなくていいよ、それよりもお寿司食べてこうか。」



切り替わりが早い臨也はあっさり私を抱き締めていた腕を離すと今度は私の右手に指を絡めてきた…所謂恋人繋ぎというやつだ




「またお寿司?臨也って外食するときいつもお寿司だよね」


「いいじゃないか、大トロ食べたい気分なんだよ」


「…此れだから金持ちは…」




そんなある意味無意味な会話をしながら池袋の人ごみへと混じる


こんな当たり前な光景、非日常とは掛け離れた日常に私は小さく笑みがこぼれた






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