好きと嫌いの駆け引き






同級生である名前は俺のことが大嫌いらしい。


まあ、そんなこともお構い無しに気分が悪いらしく保健室で眠っている彼女のところにいく
勿論今は授業中で廊下には誰も居ない
保健室に着くと誰も居なかった先生は留守らしい
一つのベッドにカーテンが回りにされてそこに入ると布団が膨らんでいる、部屋に響くのはカチカチと携帯を弄る音




「…せんせ……なんで貴方が居るの」


「君に会いに来たって言ったら?」


「全く嬉しくもない」




本当に心底嫌な顔をされ何故か胸が躍った
大体の女は笑顔を振り向けば言いなりになる。それなのに名前は笑顔を向けたところで先ほどの顔をするのだ




「怖いなあ、顔は可愛いだから笑いなよ」


「折原が女子たちの虐めを無くすなら笑うかも」



「…ああ、あれか、まだ続いてるの?」




彼女はクラスの女子に虐めを受けている。…まあ、その虐めの元を辿れば元凶は俺だけど。少し名前のクラスに情報を流しただけ…だから俺は直接的には関わっていない



「ああ、そうだな…うん。俺が止めさせてもいいよ」



名前の体が小さく震える、それを見て口角が自然に上がった

まあ、相当のマゾヒストでないと虐めを好む奴なんて居ない。


怖いのだろういつもいつも起こる出来事が




「…ねえ?名前怖かったんだろ。俺が君を日常に返してあげる」




彼女はどんな表情で、態度で、俺に願ってくるのだろうか!
ああ、楽しみだなあっ






「折原に借りを作るのは死んでもやだ、」


「……へえ、これは予想外だな。はは!面白いよっ」



本当に面白い。そしてこんな人間に出会ったのも久しぶりだ



「もし俺がもっと情報を流したらどうするの?」


「やっぱり折原だったんだ。本当迷惑」


「俺は直接的には関わっていないよ。情報を流しただけだ。まあ、虐めをやるか、やらないかはそいつ次第」



人間とは本当に興味深い。
たった一つの情報に簡単に振り回されてしまうのだから




「…私はあなたに泣かされるほどの女じゃないから、」



「ふーん、まあ、楽しみにしてるよ?」




新しい展開の始まりだ

物語の結末は果たして…









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