愛してるの先は?







いつも学校帰りに新宿にある高層マンションに行く
情報屋、という仕事をしている折原臨也さんと出会い、仕事を手伝ってほしいと言われてこうして毎日通っているのだ



「…こんにちは」



「やあ、名前」



にっこりと笑う臨也さんを見て自然に顔がほころぶ
人見知りの私は学校でも浮いていて…彼と知り合ったのは学校帰りに男の人達に絡まれてしまったときだった


「大丈夫だった?今日は」


「…はい…」


知っているはずだ。
臨也さんは…私の会話も居場所もすべて、何故かというと私の鞄の中には盗聴器と発信機が付けられているのだから、…私はそれを気付いていないふりをしている

そして、中に入れてもらいいつも通り掃除をする。ここでやることは家政婦がやるようなことだ



「名前」


「?」



爽やかな笑みを浮かべて名前を呼ばれる。彼に視線を向けると両手を広げていた
そっと掃除していた道具を置き当たり前のように臨也さんの元にいく


「…臨也さん…?」


「ねえ、俺がもう学校行かないでって言ったらどうする」


「え?…あ、の…」



他の人達より体が小さい私は臨也さんの胸にすっぽりと収まる
そして、背中に腕を回されて体が密着する


「…ああ。返事に困るよね…いやさ、君は自分のことに無頓着すぎるんだよ。だから絡まれたりする…他のやつが君に触れるのが許せない」


嫉妬独占欲…そんな言葉が浮かんだが臨也さんの行動で思考回路は停止した。


「っ…んむ…」


いきなりの行動に対応出来るわけがなく動きが固まってしまった
息を止めて、目を堅く閉じる



「んんっ…ふっ」

「…ん…」



思考がクラクラして体がフワフワする…彼は私が苦しいのに気付いているのに離そうとしない
器用なことに制服に手をかけて…え?



「っ、…んっ…、ざ…やさっ」


「はっ…」



思わず顔を背けるそして思いっきり息を吸った、瞳には涙が滲んでいて頬を伝う



「…名前…ねえ、愛してるよ?」


「…あ…」


歪んでいる。
私も臨也さんを好きだけど臨也さんからの私への愛は異常に値するものだった



「愛してる。死ぬほど愛してる…愛しい君を自分で壊してしまいそうなくらい」



この愛を受け入れた先に何があるのか?

そんなこと私にも分からない…


だからー…
受け入れてみようと思う


目の前の彼をこの愛を








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