小説 | ナノ


これの続きのつもり

目の前に好きな人がいれば、それが両思いの人ならば、この行為をしたいと思うのは当然のことではないか。
放課後で俺と剣城以外誰もいなくて、シチュエーションだけでぎりぎりなのにその上剣城が俺以外見せないだろう表情で微笑むものだから理性なんてどこかへ吹っ飛んだのは数分前のこと。悪いのは剣城だし。それに顔を近付けたって抵抗されなかった。剣城だって乗り気じゃないか。
お互いの唇が触れ合うだけの行為じゃ足りなくなって呼吸をするために開いた剣城の口腔にチャンスとばかりに舌をねじ込む。いきなりで驚いたのか剣城は目を見開いた。そんな剣城の可愛い反応が見たくて薄目を開けていた俺と視線が合う。

「んんっ、ふぁ…ゃ」

普段の声から想像もできない音が剣城から漏れる。何が嫌なの?ははっ、自分に主導権がないの嫌いだもんね剣城は。いつもないけど。
視線に耐えられないのかまたぎゅっと目を瞑って、もう嫌だというように俺を引き離そうと肩を押した。そんな剣城が可愛いくて仕方ない。抵抗せず受け入れてくれるのも良いけれど少し抵抗された方が燃える場合もある。今がその時で、この行為を止めさせようとする剣城をよそに彼の後頭部を片手で引き寄せてじっくりと堪能する。

「ふぁ、ん…ぁ」

いつまでするんだってくらいまで続けていたらだんだん剣城の−−ささやかではあったが−−抵抗の力が弱まってきた。引き離そうとした手の位置は変わらないので端から見ると剣城が縋っているように見えるかもしれない。誰かカメラ持ってきてくれないかなあ。あ、でもこんな可愛い剣城の姿を他人に見られたくないからやっぱりいいや。

唇を離したときお互いの間に銀の糸ができた。剣城は酸欠というようにはあはあと肩で息をしていて、その表情が涙目と上気した頬と真っ赤に熟れた唇とでとても艶やかだっで、ついごくりと唾をのんでしまった。もう一回してもいいかな。



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ちゅー
R15なのかわからないところ

title by hmr

20120107