傍観




CPとかない




友達は広く浅くがモットー。自分の心をわかってほしいとか思わない、むしろわかってほしくない。挨拶、会話はするが互いに互いを知ろうとはせず無干渉。これが理想。表面上はいつでもニコニコしてて絶対いいやつ、なんてやつほど何考えてるかわからない。まあそれって俺なんだけど。別に友達って存在がいたらそれに自分の過去、今思ってることとか全部言わなくちゃいけないわけ?相手は友達のこと全部理解してこいつ今何考えてんのかな何がしたいのかな、なんてわかってなきゃいけないわけ?それってかなり疲れるしお互い気張るだけじゃね。

という訳で本当あの転校生の言ってること俺には意味不明理解不能なんだけど。
やべぇよあいつ。強要はする、うるさい、マナーとかない、そしてすげぇ自己中。どこで育てられたのさ。いやあ、ある意味尊敬するわ。なりたかねぇけど。


「なにアイツ!生徒会の皆様とお食事なんて!」
「オタクのくせに!」

近くの俗に言うチワワの叫び。髪ぐしゃぐしゃで服はよれよれ、ダメ人間の象徴みたいだけどオタクではねぇだろ。一緒にするのはどうかと思う。オタクに失礼だろ。あんなのがいてオタクと勘違いされるからオタクって偏見もたれんだよな。て言うかサッカーオタクとか野球オタクとかもいんのにアニメ、漫画オタクだけが変に思われるっておかしくね?好き度合いは一緒だろ。

「ねえ有り得ないだけど!矢吹くんも思わない!?」
「そだね。でも本人達がいいならいいんじゃない?」
「そんなこと言って!彼らは将来の大会社社長様達なんだよ!?今こんなとこで汚点作って親の顔潰してどうするのさ!?」
「そうしたらライバル減ってよくない?」
「絶対ダメ!僕の親の会社、会長様のとこと関わりあるんだもん。僕の代の時に倒産でもされて飛び火でもきたら困るの!」
「考えてるねえ。じゃあ今の内に縁切ったら?」
「そうしようかな…。あの会長様今までの代で一番不安要素多いからいろんなとこから言われてるらしいし…。今から自然に離れたら…でもそしたら僕の会社が困るよな…」
「あれ?前に君の会社あの海外のとこと手を組んだんじゃなかった?あそこ会長様んとこに次ぐくらい大きい会社だし大丈夫でしょ」
「あ!アル君とこのね!そっか、じゃあ大丈夫かな。お父様も会長様の話聞いて不安がってたし話くらい聞いてくれるかも!あと最近仲良くなった東山先輩の会社も是非うちと契約したいって言ってたしこれを併せて話せば…」
「よかったね。危ない芽は摘んどかなきゃね」
「うん!会長様の機嫌をそこねて切られないように媚び売りまくってたけどもういいや!まあ親衛隊の子とも繋がりできたしよかったんだけど。次はね3組の和歩君のとこ。まだ小さいけど絶対伸びるよ、あそこは」
「そっかあ。じゃあ行っておいで」
「うん!行ってきます!」

名前も知らないけど出会い頭に学校内で相談役になってと頼まれて始まった彼との関係。話すのはさっきみたく将来の話とか会社どうのこうのだけでお互い干渉はしない。理想だよね。ちなみに彼は僕には我が社と契約しようと言わない、そういう関係にはなりたくないそうだ。
彼が今あんなに頑張って人脈を作ってるのは将来の自分のため、そして趣味らしい。自分の力で会社を大きくするなんてサクセスストーリーみたいじゃない?なんて満面の笑みで言われたときはゾッとした。人生そのものをゲームと考えるやつなんてなかなかいねぇだろ。
でもまぁ、俺には関係ないしいいか。




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何がしたいのか。
昔書いたのを加筆修正。ちなみにタイトルの正式名称は"傍観もどきとチワワもどき"長いから省略

20110424

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