BL短編
投げやりアドバイスA
「おっ、俺、浩介にマフラー編んできたんだ!!」

 恋人だからな!と言う彼は、昨日まで俺を親友だと勝手に言っていたクソモジャだ。今朝登校したら勝手にランクアップしていた。無論、俺は奴の友達でも親友でもないし、ましてや恋人などではない。

 さて。クソモジャの編んできたマフラーというのを形式的に確認してみた。

 驚いた。

 まず、なぜ彼が「編んだ」と表現したのかが分からなかった。いや、これ毛糸の束を毛糸で所々束ねただけじゃねえか。

「てっ、手編みのマフラー…冬だから喜んでくれるかなって!! こっ、恋人だしな!!」

 彼は恋人でもなければ友人でもない。ついでに、くれた(というより押しつけられた)物も手編みでなければそもそもマフラーでもなかった。

 もうどこからつっこめばいいか分からない。

 俺が一時茫然としていると、気に入って感動したとでも勘違いしたのか、クソモジャが俺の手から紐の塊(マフラーと呼称すること自体が冒涜である)をさらい、俺の首に巻きつけようとしてきた。茫然としていた俺はされるがままになる。

 結果。

 紐の塊で俺の首を絞められた。朦朧とした意識の中で、俺はまずここからつっこむことに決めた。

(手編みのマフラー贈っていいのは二次元の住人だけだから)



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