五条の息子はストレスフル 蛇足の後日譚
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 どんちゃんどんちゃん。あらそれどんちゃん。

「ねぇ悟くん」
「なぁに 倫」
「もう、よくない……?」

 何がってそりゃ、誕生日パーティーの話だ。

「なんでさ。折角生まれたんだよ? 祝おうよ」

 不満げに訴える悟くんだが、俺の言い分も理解してほしい。

「悟くん、俺ァ王様じゃねーのよ。ただの男子高校生なワケ」
「だから?」
「今日でパーティー、18日目なンだけど」

 連チャン3日目あたりで言ったら「今まで祝ってなかった15回分祝おうよ」と言われて納得したらこの様だ。恵くんと釘崎は2日目あたりでいなくなったし、付き合いのいい虎杖でさえ7日目からはいなくなった。毎日一本ずつケーキのろうそくが増えてくの、地味に嬉しかったから流されちゃったンだよ!!! 嬉しいじゃん?! 素直に言いはしねぇけど嬉しいじゃん?! でも18日目ともなったら流石に違うと思う!!

「パパン、パーティーの日数、俺の年齢超えてるって分かってンよね?」
「倫……、逆に聞くけど、誕生日パーティーを開くのに理由って要るかな?」
「せめて誕生日くらいは必要だと思うよ?」

 俺の指摘が不満だったのか、悟くんはヤダヤダと床に転がりながら手持ちのクラッカーを鳴らす。忙しいな。

「倫は僕の息子じゃん!! 祝おうよ!! 祝われることに慣れてうざく感じちゃうまで祝おうよ!!! 生まれてきてくれてありがとう倫ぅ!!」
「どういたしましてパパン でも昨日それ言われてうっかり祝われちゃったから今日は流されねーよ?」
「なんでだよまだ祝お?! 特級任務全部さぼって祝い続けようよォ!」
「あ、着信」

 スマホを耳に当てると、耳慣れた声。

「……はぁい すぐ行きまァす」

 電話を切り、未だ床に転がって回転している悟くんに向き直る。

「悟くん、俺ちょっと実家行ってくるから」
「え、倫?」
「大丈夫。……晩ごはんは俺が帰るまで煮込み続けたビーフストロガノフがいいな

 悟くんを起き上がらせて抱きしめる。

「んじゃ、いってくるね。パァパ
「ヤだ、僕の息子ってイケメン……?」
「パパンの息子なんだから当たり前じゃん?」

 肩を揺らして家を出る。さぁて、やることは決まってる。

「呪詛師退治だァ!」






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