想いを伝えましょう(pkmn/シュウハル/バレンタインフリー)




2月14日。
世間でいう、バレンタインデーという製菓会社が無駄に張り切るこの日は、女の子にとって特別なのかもしれない。
友チョコや義理チョコに家族チョコ、…本命チョコなど。
日頃の感謝の気持ちを伝えるチャンスの日でもあるのだ。
私は家族に綺麗にラッピングされたチョコレートを家に送った。
料理が苦手な私でもチョコレートを作りたかったけど、必ず失敗することが目に見えているので諦めた。
タケシがいたら、少しは上手く作れたかもしれないけど…
今は一人旅。
私一人で全ての工程をするなんて、とても無理だ。
なんて思いながら、街を歩く。
繁華街へ足を踏み入れると、さすがバレンタイン。チョコレートを並べているお店が多い。
家族には買って送ったけれど、…本当はもう一人贈りたい人がいた。
だけど今"本命"の人はどこにいるかなんて私にはわからない。
お互い一人旅をしているから。
けど…もしかしたら会えるのかなって、私の心が期待してしまう。


「…よし」


小さい小さい望みだけれど、やっぱり期待してしまう。
今日会いたい、って。
そして私の想いを贈りたい。
僅かな希望を胸に抱いて、私は可愛いお店へと入った。



*+*+*+



「…やっぱ会えないかぁ」


そう一人、ベンチに座り小さく虚しい声が漏れる。
この街に、"彼"はいないみたい。
僅かな希望が粉々に砕け散った気分だ。
せっかく数時間前――本命のチョコレートを買ったのに。
どうしようか。
渡せないなら捨てようか…でもせっかく買ったのだし、私が食べようか…勿体無いし。
でも、あげるつもりのチョコを食べるのは少し気が引ける。
悩みに悩んで導いた結果、私が食べることにした。
そう思い、綺麗にラッピングされた箱を開けようとした時…


「それ、誰かにあげるのかい?」


今一番会いたかった"彼"の声、そして目の前に…


「シ…シュウ!!」


いきなりのことに、思わず大きな声を出してしまった。
幸い、私達の回りに人はほとんど居なかった。


「まったく大声出して…美しくないね」
「だ、だって…」


いつもの台詞も今の私には頭に入らないほど私は混乱していた。
…そりゃあいきなり会いたかった"彼"――シュウが目の前にいるんだもの、驚かない訳がない。
そんな私を見て、シュウは優しく微笑んだ。


「奇遇だね、こんな所でハルカに会えるなんて」
「そ…そうかも」
「…会えてよかった」
「えっ…?」


今なんて?と聞こうとすると、シュウの口から、



「ハルカからチョコレート貰えるからね」
「…!!」


意地悪な笑顔で私に向けて言ったのだ。
その意地悪な顔が、さらに綺麗だと不覚にも思ってしまった。
思わず私は体が熱くなるのを感じる。


「それ、僕のチョコレートだろう?」
「えっ!?あの…」
「だけど僕を見つけることが出来なかったから、諦めてそのチョコレートを食べようと思ったんだね?」
「うっ…;」


もう全て当たっていて、私は返す言葉が見つからない。


「だったらチョコレートはいいや」
「はい?」


どういうこと?という表情の私を見て、シュウは妖美な笑みを浮かべ…


私の唇に、自分のそれを優しく押し当てた。


突然のことに、私の思考は一時停止した。
そしてシュウがゆっくりと離れる。
ニヤリと意地悪く微笑むその顔は、さらに綺麗に整っていた。


「ごちそうさま」
「〜〜〜!?!?!?//////」
「なんだい、初めてじゃないからいいじゃないか」
「!!!シュ…シュウのバカ―――!!!!!!」
「はいはい(ニコニコ)」


暴れる私は見事に彼の腕の中にへと収まってしまった。
だけど…やっぱり彼の腕の中は落ち着く。
私を優しく抱き締めてくれる。
いつもは照れくさいけど…


「………シュウ」
「なんだい?」
「………好き」
「僕もハルカが好きだよ」


そう言って私達は笑い合い、甘い口付けをした。



――あなたは愛しい人に想いを伝えれましたか?





*+*+*+
いやー、なんとか間に合いました!!バレンタインフリー(⌒∇⌒)ノ
こんなに甘いシュウハル…初めてかもしれません;;
シュウのキャラが少しズレている気がしま…orz
こちらはフリー小説ですので、お持ち帰り自由でございます。
こんなのですが…貰って大丈夫ですので!!(たぶんいないと思うけど;)
皆様は誰かにチョコレートを贈りましたでしょうか?
楽しいバレンタインでありますようお祈り致します。
ここまで読んで下さりありがとうございました。

(※この小説はお持ち帰りOKです)








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