あなたにプレゼント(pkmn/シュウハル/クリスマスフリー)




12月25日、クリスマス。
神様のキリストが誕生した記念の日。
その大切な日を、家族、友人、…恋人と一緒に過ごしたり。
1年の中の一大なイベント。
私もクリスマスを楽しみたい。……けれど。

「ポケモン達だけで、一人なんだよね…」

そう私は街に備え付けられているベンチに一人座っていた。
誰かを待っているわけではなく。
サトシ達と旅をしている時は、皆でクリスマスパーティをしていたっけ…
タケシがすごく美味しい料理を作ってくれて。
その料理をつまみ食いするサトシがいて。
そんなサトシをマサトが注意して。
とにかく、すっごく楽しいクリスマスだった。
だけど今は一人で旅をしているから、皆がいない。
実質、一人のクリスマス。
プレゼントも無い。

「寂しいなぁ……」

誰かにプレゼントを贈ったり貰ったり。
ポケモン達には今まで一番の出来のポロックをクリスマスプレゼントとして贈った。
皆嬉しそうに笑って受け取ってくれた。
だけど…

「私もプレゼント欲しいなぁ…」

そうポツリと呟くと、

「ハルカ?」

聞き覚えのある声が横から聞こえた。
ゆっくりと横を振り向くと、

「シュウ…!」
「こんな寒い所一人でどうしたんだい?」

そう言って、シュウは私の横に座った。
いつもの服の上に、紫色のコートを羽織っていた。

「うーん…暇だったの」
「暇?」
「そう」

私は少し苦笑いをして、言った。

「前はサトシ達と一緒にクリスマスを過ごしていたの。だけど、今日は一人で過ごすことになっているでしょう?」
「………」
「一緒に料理を食べて、プレゼントを贈ったり貰ったり…今日はできないなーって。寂しいなって思っていたの。だから暇だったの。そうするとシュウが来たの」
「そうだったのか」
「シュウは誰かと一緒なの?」
「いいや一人だよ。君と一緒で一人旅だから」
「そっか…」

シュウから視線を外し、空を見上げる。
空から白くて小さい雪が降ってきた。
これがホワイトクリスマスっていうのかな?
すごく、綺麗。

「だったら…」

不意にシュウの口が開いた。
何だろうとシュウに視線を戻す。
優しい笑みを浮かべて。

「一緒に過ごそうか」

と、さらりと言った。

「え、えええええ!?いいの!?」
「あぁ。僕も一人でクリスマスを過ごすのは少し寂しいし。それに…」

私の瞳を真剣に見つめて、

「ハルカと一緒にいたい」
「…っ」

私にとって爆発しそうな台詞をさらりと言ってきたシュウ。
何でこんなにも冷静でいられるの…?

「で、どうするの?」

私の顔を覗くように、不敵に笑って見つめるシュウに。
思わず私の顔が赤くなってしまった。

「〜っ!!一緒に過ごしましょうっ!!」
「あぁ」

だけど今度は、優しい眼差しで見つめてくれた。
いつの間にか、私は笑顔になっていた。



*+*+*+



「プレゼント?」
「うん」

私とシュウは夕食を済ませて、小さな百貨店へと来ていた。
本当に楽しいクリスマスの夕食だった。
ローストチキンやスープ、サラダをたくさん食べた私を、シュウは少し呆れてて。
デザートのブッシュドノエルをも一緒に食べて。
それだけで充分楽しめたけど、シュウが百貨店に寄りたいと言ったのだ。

「何を買うの?」
「何をって…」

はぁと呆れたようにため息をこぼしたシュウに、カチンと私はムカついた。

「な、何よ!その馬鹿にしたような態度は!!」
「分からないのかい?」
「何が?」

ハテナマークが浮かぶ私を見て、今度は笑うシュウ。

「だ、だから何…「ハルカのプレゼントを買うんだよ」…へっ?」

私の言葉とシュウの言葉が重なったが、シュウが言ったことはちゃんとわかった。
私への…プレゼント?

「え…」
「『プレゼントを贈ったり貰いたい』と言ったのは君だろう?」

ん?と不敵に笑うシュウ。
その台詞に、私はさらに顔を赤くした。
私が言ったこと…覚えてくれてたの?
もう、すごく嬉しくて。
私は思わずシュウの腕に抱きついた。

「ハ、ハルカッ!?///」
「ありがとう、シュウ…」

下に俯いてしまうけど、言わせて。

「私、本当に嬉しい。シュウが私が言ったこと覚えてくれて。夕食を一緒に食べたことだけでも嬉しいのに…ありがとう」

最後の言葉は、あなたの顔を見つめて。
シュウは顔を少し赤くして驚いていたけど、すぐに優しい笑みへと変わった。

「じゃあ一緒にプレゼントを選ぼうか」
「うんっ!!」

私達は笑いあって、あなたへのプレゼントを探し出した。


+*+*+*


そして私達が選んだのは……
シュウには緑色のマフラー、私には赤色のマフラー。
シュウのは私、私のはシュウが選んだ。

「温かいね」
「うんっ」

あなたのプレゼントだから、すごく温かい。
聖なる夜を、あなたと過ごせて本当によかった。
ありがとう…シュウ。
そして…

「「メリークリスマス!!」」


世界中の人達が幸せでありますように。


*+*+*+


クリスマスフリーです。クリスマスといえばシュウハル!!
緑と赤!もう…シュウハルカラーですよね!!
シュウハルはすごく可愛いですよね(^∀^)
もっとシュウハル好きな人が増えてくれたら嬉しいです。
皆さん、聖なる夜は誰と過ごしましたか?
思い出に残るクリスマスになることを祈ります。
(※この小説はお持ち帰り自由です♪)










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