捧げもの | ナノ
純情乙女ちゃんと真っ黒イケメン君と可愛いオネエちゃんのお話(シュウハルとルサとハーリーさん/相互記念/星奈様へ)
![](//img.mobilerz.net/sozai/1061.gif)
いつものように、アタシはポケモン達とコンテストの調整をしていた。
あと1つコンテストリボンを手にいれば、ジョウトグランドフェスティバルに出場できる。
ここ最近絶好調だし、大丈夫よ。
絶対にアタシが優勝して…
「アンタを負かすからね、ハルカ!!」
アタシの叫び声がその場に響いた。
*+*+*+
いつもアタシの前を歩く、生意気でいい子ぶってるアイツ――ハルカ。
アタシが嫌いってアピールしているのに、いちいちアタシの範囲に入ってくるアイツ。
何度も騙してきたのに、「大丈夫」って言っているように笑顔でアタシに接する。
今でもムカつくのに…不思議と心から憎めなくなった。
だからアタシはもう、ハルカを騙したりしていない。
正々堂々と勝負している。
…からかったりしているけれど。
まぁそれだけアタシが大人になったということね。
皆をボールに戻して、ポケモンセンターへと歩いていると…
「?あら…」
サラサラの茶色の髪、細い体つき。
あれはハルカだ。
ハルカなんだろうけど…なんでバンダナと服が藍色なのかしら?
確かバンダナは緑色で、服は橙色を中心としていたはず。
また変えたのかしら?
…なんだか笑っちゃうわ。
緑色のバンダナ=ハルカという方程式がまた変わるのね。
前までは赤=ハルカだったのに。
今度は藍=ハルカなのね。
フフッ…また慣れるのに時間がかかるわ。
そう思いながら、アタシは“藍色のハルカ”に近づいた。
「はーい!かもちゃん!久しぶりかもーー!!」
いつものように呼ぶと、“藍色のハルカ”がこちらを向いた。
……あれ?
この子、こんな藍色の瞳をしていたかしら?
どちらかというと、藍色より青色って感じがするけれど。
ハルカもハルカで、ポカンとした顔でアタシを見つめてくるし。
「ちょ、かもちゃん!どうしたの!?」
「あの…」
「ん?」
「あなた…誰ですと?」
「狽ヘっ!?」
だ…誰ですかですって!?
アタシを忘れているですって!?
そんなの…アタシが許さない!!
「何言ってるの!!アタシよ、ハーリーよ!!」
「ハー…リー…?」
「本当に覚えてないの!?」
「すまんち。わからんとです」
「!?」
申し訳なさそうに謝る“藍色のハルカ”。
な、何で…!?
はたから見たら、絶対に“ハルカ”なのに。
しかも、方言で喋っているし!!
「ちょっ、ハルカ!本当にどうしちゃったの―――!?!?」
肩を掴んでブンブンと振る。
う…嘘だといいなさ―――い!!
「ハル…?あっ、もしかして…」
「サファイアー!お待たせ――!!」
すると聞き覚えのある声が遠くから聞こえた。
緑色のバンダナで橙色中心の服を着た茶髪の少女。
「お帰りと、ハルカ!」
「ただいまーサファイア!………ってあれ?ハーリーさんじゃないですか!」
「………」
何でアタシが黙っているかって?
だって……アタシの目の前に瓜二つの顔の少女2人が、楽しくお喋りしているから。
「ハルカが2人ぃぃぃぃぃぃ!?!?!?」
アタシの大きな大きな叫び声が、ポケモンセンター前で響いた。
*+*+*+
「…つまり、緑色バンダナの方はアタシが知っているハルカで、藍色のバンダナの方はサファイアってことなのね?」
「「まぁそんなところです」」
アタシとハルカと…ハルカに瓜二つの少女・サファイアと一緒にポケモンセンター付近のカフェへと移動した。
2人を何回も見比べるけど…似すぎなのよ。
「…あんた達、双子じゃないわよね?」
「まさか!」
「違うとですよ!」
アハハと仲良く笑い合うハルカとサファイア。
…その笑い方とか笑顔が似すぎなのよ!
はぁとため息をついて、紅茶を一口飲んだ。
「そういえば、ハーリーさんは何でここに?」
ハルカがカフェオレを飲みながら聞いてきた。
「明日行われるコンテストに参加するために、ここでトレーニングしていたのよ」
「そうなんですか!」
「ってことは、ハーリーさんもコーディネーターなん?」
そこにミルクティーを飲んでいるサファイアが話に入ってきた。
…やっぱりハルカに似てる。似すぎ。
「そうよ。まぁ、絶対にアタシがかもちゃんにグランドフェスティバルで勝つけどね!!」
「なっ!私だって負けないんだから!!」
「いいライバルったいね―」
火花が散っているアタシとハルカに、フフッと笑うサファイア。
あ、なんだろう。
この時間、…すごく楽しい。
まるでガールズトーク(?)してる感じじゃない!!(←※ハーリーさんは男です)
「そうだサファイアちゃん!アタシのアピールちょっと見ない?」
「えっ、いいんですと!?」
「もちろんよー!アタシの素晴らしいアピールとくと御覧なさい!」
「でもハーリーさん、本番に見せた方がいいんじゃないんですか?」
「いいじゃない!サファイアちゃんに見せたいのよ!」
「でも私達、今から買い物に行こうと思ってるんですけど…」
「そんなの後回しよ!さ、行きましょっ!」
「えっ、ちょっ!?」
無理矢理サファイアを席から立たせて手を引っ張る。
会計を素早く済まして、扉に向かう。
「待ってほしいかも、2人共ー!!」
ハルカが後を追って、アタシ達がカフェを出た瞬間、
「「あ」」
2人揃って声を上げた。
「何があったのよ、2人共?」
2人が向いている方向へ目を向けると、
…あぁ振り向かなければよかった。
だって、アタシが知っている緑色の髪と瞳を持つ少年と、全く知らない白い帽子を被り紅色の瞳を持つ少年の瞳がもう…恐ろしかったから。
アタシを見つめる眼差しがよ。
まぁ、状況が状況よね。
アタシがサファイアの手を握っていて、ハルカがアタシの腕にしがみついている状態だから。
アタシが知る少年――シュウ君はまぁわからないことはない。
あの子はハルカが好きだから。
自分が気に入らない男の腕に好きな女の子がしがみついているんだからね。
…あ、今自分で言って傷ついた。
気に入らないって、自分で言うものじゃないわね…
でも、全く知らない少年から睨みつけられるのはちょっと…
まぁこの子は、サファイアが好きってことかしら?
「やあハルカ。こんな所でどうしたんだい?」
「サファイアも捜したんだよ」
そしてアタシがまるでこの場にいないかのように、ハルカとサファイアにしか話しかけるシュウ君とその少年。
もうこっちから見たら、真っ黒な笑みで。
アタシ…大きな地雷を踏んでしまったようね。
「ハーリーさんとお茶していたの!」
「へぇ…お茶を…」
「そして今からハーリーさんのアピールを見るったい!」
「ふぅん、アピールね…」
ちょっちょっちょっ!!!
だからその睨みつきが恐ろしいんだってば!!
「あ、そういえば。あっちにきのみの木があったよ」
「本当!?」
「サファイアも行ってきなよ」
「じゃあ行こうったいか!」
「うん!シュウ、ありがとう!」
「ルビー、ちょっと行って来るったい!」
「「いってらっしゃい」」
極上の笑顔でハルカとサファイアを見送ったシュウ君と、ルビー君。
2人が見えなくなると……真っ黒な笑みを浮かべてアタシの方へと振り向いた。
「何をしようとしたんですか、ハーリーさん?」
「へぇ、あなたがハーリーさんですか。ハルカちゃんをからかったり騙したりする人は。しかもサファイアにも手を出しているあなたがハーリーさんですか」
コイツら、黒い。黒すぎる…
「別に…。ハルカとサファイアとお茶をして、それからサファイアにアタシのアピールを見せようとしただけよ!」
「勝手にサファイアって呼び捨てにしないでもらいます?それと手を握らないでもらいますか?僕しか握っちゃいけないんですから」
「それとハルカに近づかないでください。嫌なんですよ、男が寄るだけでも。特にハーリーさんだったら尚更に」
「ちょっ、シュウ君!ひど過ぎない!?その言い方!?」
「本当のことを言ったままですけど?」
「シュウ君大丈夫。全部合ってるから」
不敵で真っ黒な笑みを浮かべて言うルビー君。
コイツら……!!!黒すぎるわよ!!!
どれだけ嫉妬深いのよ!?!?
ハルカとサファイアが可哀想だわ…
「シュウー!」
「ルビー!」
すると彼らにとって天使のような声が聞こえてきた。
2人はいつもの優しい笑みへと変わった。
その早すぎる変わりばえに、ビックリした。
「どうだった、ハルカ?」
「楽しかった、サファイア?」
…アタシに向けた真っ黒な顔をハルカとサファイアに見せてあげたいわ。
ものすっごく違うから、本当。
「もういっぱい採れたよ!」
「すごく新鮮でおいしか―!」
「そっか」
「よかったね、サファイア」
2人の柔和な笑みが更に広がる。
お花がひらひらと飛んでいるように和んでいる。
ハルカとサファイア…すごいわ。
「そうだハルカ。もうポケモンセンターに戻ろう?」
「サファイアも疲れたでしょ?行こうよ」
「そうね…戻ろっか!」
「じゃあ行こうったい!」
アハハと盛り上がる4人に、ポツリと1人残されたアタシ。
するとシュウ君とルビー君がこっちへ振り返って、
あっかんべー
………!!!
コイツら〜〜〜!!!
マジで黒すぎるわ!!!
そして賑やかな4人はポケモンセンターへと行ってしまった。
そして残されたアタシは…
「覚えてなさいよ―――!!!シュウ君、ルビー君!!!」
バクオングにも負けないぐらいの雄叫びをした。
*+*+*+
はい、星奈様への相互記念の小説です。
リクエストで「シュウハル&ルサ&ハーリーさんの絡み」でした。
なんというかその…駄目文で本当にゴメンなさい!!!.・゚(ノД`)・゚.。
キャラ崩壊…してるかも(げふぅ!
いつでも書き直しOkですので!絶対に直しますから!!
星奈ちゃんとは、長年お世話になっている大事な人です(^ω^)
最後は素で(←まねっこ〜♪)お互い更新頑張ろうね〜♪
(※この小説は本人様以外お持ち帰り禁止です※)
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