1 ミクリカップが終わり…

「大接戦の中、勝利を掴んだのは…ヒカリさんだぁー!!」

シンオウ地方、リッシ湖畔で行われている、トップコーディネーター・ミクリが開催しているポケモンコンテスト・ミクリカップ。
今丁度、ファイナルステージが終わり、フタバタウン出身のヒカリが勝利した。対戦相手は、かつてサトシ達と共に旅をしたハルカ。現在はジョウトでコンテストに挑戦している。
二人とも、華麗かつ力あるバトルで会場を最高潮に沸かした。大きな声援が二人を包む。
そんな中、ヒカリは泣きながらも嬉しいらしく、ポッチャマを抱きしめながら笑っていた。スランプだった彼女は久しぶりの勝利に顔に喜びが溢れていた。

「勝った…勝ったんだ…」
「ポチャ〜!!」
「ありがとうポッチャマ…あなたのおかげよ!」

一方ハルカは、勝利は出来なかったものの、満足した顔をしていた。グレイシアと最高のバトルが出来たと顔に描かれていた。

「ありがとうグレイシア。良く頑張ったわね」
「グレイ…」
「ヒカリ…おめでとう」

最後の言葉は少し小さめだったが、心の籠った声で呟いた。



+*+*+*




場所は変わり、リッシ湖畔の船乗り場。
ハルカはジョウトヘ帰る少し前に、サトシ、ヒカリ、タケシ、ノゾミと別れの挨拶をしていた。

「もう行くのか。時間が過ぎるのは早いな、ピカチュウ」
「ピカピ〜」

一番の相棒・ピカチュウを肩に乗せ、ピカチュウに話し掛けるサトシ。
実は彼も今回のミクリカップに出場し、ベスト8という好成績を残した。

「ジョウトでもあまり食べすぎるなよ」

同じく一緒に旅をしていたタケシが言う。

「分かってまーす!!タケシのシチュー、やっぱり最高だったわ」

一人旅をしているハルカにとって、食事管理はとても大切だ。
しかもハルカは人一倍料理が出来ないので、タケシが心配するのも無理はない。

「今度はアタシも負けないよ」
「ハルカ、ジョウトでも頑張ってね!!」
「ポチャポチャ!!」

ミクリカップで共に闘ったノゾミとヒカリが言う。良いライバルが今回のミクリカップで出来たことに、ハルカは嬉しく思った。

「ありがとう!ヒカリもノゾミも次は負けないかも!」
「あっ、ハルカ。船が来たぞ」
「本当だ」

ジョウト行きの船が到着した。

「さよーならー!!」
「またなー!!」
「コンテスト、頑張れよー!!」
「元気でねー!!」

お互い見えなくなるまで大きく手を振る。短い時間だったが、楽しい時間を過ごせた。
ハルカは、またサトシやヒカリ、ノゾミと闘えるのを心の中で願った。
そして…

「よーし!次のコンテスト、頑張るかも!!」

気合を入れて、ジョウトヘ帰るため船内の中へ入った。


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