24 いかりまんじゅう

「ここね、チョウジタウン!」

私はついさっき、チョウジタウンへ着いた。
ここは他の町より少し寒い。
少し先に"こおりのぬけみち"という氷で覆われている洞窟があるらしい。
フスベシティへ行くには、そこを通らなければいけない。
防寒着を買っておかなくちゃ…

「そこのお嬢さん」

すると後ろの方から、元気な声が聞こえた。
後方を見ると、エプロンを着た60代くらいのおばあさんが立っていた。
エプロンには"チョウジへようこそ"というロゴが書かれていた。
何か販売しているのかな?
と、いうことは…

「ちょっとウチの店に寄っていかないかい?」

あぁ、やっぱり。
私がターゲットにされたのね。
でも今ちょうど暇だったので、よかったのかもしれない。
私は「はい」と答えて、おばあさんと一緒に店へと向かった。



おばあさんについて行って、お店に来た。
お店の中には、商品がたくさん並んでいた。
品揃いもいい感じ。
なにより…食べ物がおいしそうだ。
食べることが好きな私にとって、それはすごく嬉しいこと。
思わず目を輝かせてしまう。
すると一つ気になるお土産を見つけた。

「"いかりまんじゅう"?」
「あぁ、これはチョウジの名物だよ。うまいよ」

にこりと優しく笑うおばあさんに、こっちまで笑顔になる。
気になったので、一箱買うことにした。

「まいどあり」

おばあさんにお金を払って、手を振った。
とても優しくて、親切な人だった。
今日のおやつにしよう。と私は思った。



*+*+*+



「グレイシア、"シャドーボール"!」

漆黒の影の球が現れ、それを上に打ち上げる。

「"シャドーボール"に"アイアンテール"!」

グレイシアの尻尾が光り、"シャドーボール"に直撃する。
一つの影がバラバラに、キラキラ光りながら散らばる。

「アゲハント、"ぎんいろのかぜ"!」

りんぷんを乗せた風が、散らばった"シャドーボール"を輝かせる。

「OK、その調子よ。休憩しましょう」

今回のチョウジ大会は、ダブルバトル。
久しぶりのダブルバトルなので、たくさん練習を積み重ねる。
5つ目…最後のリボンを取るために、決して気を緩めてはいけない。
無意識に拳を握っていた。

「…そうだ、いかりまんじゅう食べよう」

少し気を落ち着かせるために。
丁寧に袋を破り、まんじゅうを取る。
もちろんアゲハントとグレイシアにもあげた。
一口口に入れてみる。

「美味しい…!」

柔らかい生地の甘さが口の中に広がる。
中の餡子の甘さもちょうどいい。

「よし。頑張るぞっ」

気合を入れ、また一口まんじゅうを食べた。
そんな私を見て、アゲハントとグレイシアは楽しそうに笑っていかりまんじゅうを美味しそうに食べていた。


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