8 モーモーミルク
エンジュのポケモンセンターを出発して、私は39番道路を歩いていた。
「…ん?」
するとピンクの看板が1つ立っていた。
見てみると、それは…
「"モーモー牧場"…?」
という文字が綺麗に書かれていた。
「牧場かぁ…よし、行ってみようっと」
施設の中に入るとそこは…
+*+*+*
「うわぁ〜!広い草原かも〜!」
綺麗な緑色の、広い草原が広がっていた。
そこに、ピンク色のポケモンが数頭きのみを食べていた。
「あのポケモンは…」
ポケモン図鑑をポーチから出そうとした時…
「あれはミルタンクだよ」
「え?」
するといつの間にか、一人の女性が立っていた。
年代は40代くらいに見える。
「お嬢ちゃん見学かい?」
「あ、はい。私、ハルカっていいます」
「あたしはここを管理しているトモというよ。よろしくね」
頭を下げて、トモさんを見る。
トモさんは元気溢れる女性で、とてもいい人に見える。
「そうだハルカちゃん」
「はい」
「モーモーミルク、飲まないかい?」
「え?モーモーミルクって?」
「ミルタンクからとれたミルクだよ。モーモー牧場の名物さ。飲まないかい?」
はっはっはっと笑うトモさんが輝いて見える。
「はい、是非飲んでみたいです!」
「じゃあ中で飲みな」
「はい」
私とトモさんは牧場の中にある施設へと足を運んだ。
+*+*+*
「はい、これがモーモーミルクだよ」
「わぁ〜…!」
ゴンッと机に置かれる瓶の中に白くて美味しそうなミルクが入ってる。
瓶の蓋を開けると、仄かに甘い香りがした。
「いただきます」
パチンと手を合わせて、私はモーモーミルクを飲んだ。
ゴクッ…
「おいしい!!」
「そりゃよかった」
はっはっはっと笑うトモさん。
ミルクの独特の甘さ。
それに少し濃厚で。
癖になるおいしさ。
ミルタンクの栄養満点のモーモーミルクは、どのミルクよりも美味しく感じた。
+*+*+*
お別れの時間。
時間はあっという間に過ぎていく。
「今日はありがとうございました。モーモーミルクとてもおいしかったです」
「いいってことよ。そうだハルカちゃん、半ダースのモーモーミルクを持っていきな」
「えっ、お金は…」
「いいってことよ!」
はっはっはっと豪快に笑うトモさん。
「コンテスト頑張れよ」
「はいっ。ありがとうございました」
半ダースのモーモーミルクをを持って、トモさんが見えなくなるまで私は手を振った。
そして、アサギシティへと向かって歩き出した。
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