最強防具への思い

セントシュタイン城リッカの宿屋のカウンターにて、カマエルによって作られた錬金物を満足そうに"ふくろ"に入れて、ナマエ一行はセントシュタイン城を出た。
次の目的地はというと…

「よーし、今回こそイボさんから慈愛の兜手に入れるぞー!!」
「今回こそ落してほしいわね、ナマエ」
「うん!」

宝の地図の場所を探しながら、ナマエが叫んだ言葉にユイリが同意する様に微笑むと、嬉しそうに破顔した。
ちなみにナマエが言ったイボさんと言うのは"怪力軍曹イボイノス"の事である。
力が強い猪の獣系魔物である。

「でも慈愛の兜ってドロップ率2%だよなー。なかなか落とさないぞ?」
「確かにそうだね。今までもそうだし…」

アッシュの言葉にトオイも同意する。

「ほんとにそうだよねー!!イボさんなんて慈愛の兜未だに一個しか落としてくれないんだよ!?何回も挑んでるのにー…」

しゅんと項垂れるナマエに、三人はなんとも言えない表情になってしまう。
ナマエは、宝の地図内の青い宝箱は必ず全て確認する。そしてそのボスに挑み、最強防具を狙うのだが…なかなかドロップ率2%は侮れないものである。

「スライムジェネラル…業師の手袋、ブラッドナイト…輪廻の盾、アトラス…空のトーガ、アウルート…春風の帽子、レパルド…勝利の鎧」
「な…何ぶつぶつ言ってるんだ、ナマエ?」
「今まで手に入れた最強防具を言ってるんだよ」

怪しそうにナマエを見つめるアッシュに、トオイがさらりと簡潔に説明する。

「黒竜丸…カグツチの小手、ハヌマーン…無敵のズボン、Sキラーマシン…英雄のブーツ、イデアラゴン…利生のサンダル、フォロボス…天使のローブ、グレイナルさん…竜王の地図ゥゥゥ…!!!」
「あらら、またナマエが荒れてるわ」
「寧ろ暴走してるくね?」
「二人共、そんなに変わらないと思うけど…」

ユイリとアッシュの発言に、トオイは素早くツッコミを入れる。
今のナマエの悔しく怒りに満ちた表情は、あらゆる魔物を失神させる程恐ろしい。

「まーまー、落ち着けよナマエ。アトラスから空のトーガ6つも手に入れてるしいいじゃんか」
「私達、一番アトラスと戦っているからね」

アッシュの言葉に続いてユイリがそう言うと、ナマエ一行宝の地図ボス戦を思い出す。
アトラス、アトラス、アトラス………そのほとんどのボスがアトラスなのである。
…ナマエはアトラスに好かれているのだろうか?

「巨人のハンマーもいっぱい落としたよね。何個だったけ?」
「…11個」

ナマエの答えに、三人は同時に思った。
多すぎる。あまりにも多すぎる。
いくらその後錬金で"アトラスの金槌"にしても、余る程だ。

「アウルートが落とすミネルヴァミトルも5つ落としたのも多いと思ったのに…何この差」

全くである。ちなみに、アウルートが落とす"春風の帽子"は3つ手に入れている。

「はぁ〜…私って運無いのかな」

今回目的の宝の地図を広げ探しながら、ナマエが呟いた。

「そんな事無いよ。僕達は僕達で一生懸命頑張っている。何より…ナマエが一番頑張ってるじゃないか」
「トオイ…」

トオイの言葉に、ナマエは下がっていた顔をゆっくり上げる。
そこには、いつものメンバーの姿。

「トオイの言う通りよナマエ。私達は何が遭っても、貴女に付いて行くんだから」
「だからそんな暗い顔すんなよ!」

ユイリとアッシュの温かい言葉に、ナマエは涙が出そうになるが、なんとか踏ん張った。
パーティのリーダーとしてもそうだが、人前では泣きたくない。

「…ありがとう、皆。うん、そうだね!ボスいっぱい倒しまくって最強防具手に入れよう!!」
「そうこなくっちゃ!!」
「早速行きましょうか」
「この地図は誰がボスなんだろう?」
「アトラスはもう勘弁…」

ナマエの言葉に、皆の笑い声が溢れた。



最強防具への思い



今回の小説も、実話ばかりです。最強防具はドロップ率2%となかなか落としてくれませんよねー……アトラスのは勿論実話です(・ω・;)
今特に欲しい最強防具は、天使のローブです!!フォロボス落としてくれー!!(涙)

(20140428)




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