単純な占い方法(シュウハル)

すき きらい すき きらい

まるで呪文を唱えるように、一枚一枚深紅の花びらを取ってゆく。

すき きらい すき きらい

何回も、この動作を繰り返す。

すき きらい す…

「また…」

その"占い方"での結果は、毎回同じで。
まぁ、この"占い方"で占うのも、今時あれだけど。
それでも、占ってしまうんだ。


―この深紅の薔薇をくれる彼のことを、私はどう思っているのか…ということを。


最初は私のポケモンに、って渡されていた一輪の薔薇。
それがいつの間にか、私に(多分よ?)渡される一輪の深紅の薔薇。
色々彼のことを考えると、何故か知りたくなったんだ。


―私は、彼のことをどう思っているのかを。


そして会う度に渡される、深紅の薔薇で自分の気持ちを占っているのだ。
一枚一枚、丁寧に取っていって調べてゆく。
そして毎回、同じ結果―最後の花びらは"すき"で。
もちろん最初は疑った。
あんな印象悪い奴、好きじゃないって。
それでも、毎回結果は同じ。
そして…その気持ちに否定出来なくなる自分がいつの間にかいて。
そして気づいたの。
この"占い結果"も、私の彼に対する"気持ち"も、一緒…だって。
認めたくないけど、私の心がそう言っている。
自分の心に、嘘つけないから。
私は…彼―シュウのことが、好きなの。
そう思考していると―。


「やぁ」
「!?シュ…シュウ」


いきなり真後ろから声がしたから、びっくりして肩が異常に上がった。
しかもその声主は、私が今思っていた人物―シュウだったから尚更に。
そんな私の様子を見て、シュウはくすりと笑った。

「そんなに驚かなくても…」
「あは…ちょっと考え事してたの」

苦笑いをしながらもなんとか誤魔化して、視線を逸らす。
その間に、シュウは私が座っているベンチの隣に座った。

ドクンッ ドクンッ

…どうしよう。心音が異常に鳴っている。
好きな人が、手を伸ばせば届く距離いる。
一緒にいるだけでも胸が鳴るのに、近い程胸の高鳴りが激しくなる。
どうすれば、いいの…っ。


「ハルカ」


すると私の隣に座るシュウが、口を開いた。
私の瞳を真剣に、見つめて。
その綺麗な新緑色の瞳に見つめられて、視線を逸らしたいけど逸らせない。
私もゆっくりと、シュウの瞳を見つめる。


「な…に…」


こんな状況、まるでドラマみたい。
だけど、シュウは私のことなんかただのライバルとしか見てな…―
するとシュウの顔が、急に近づいてきた。
えっ、と思った時にはもう…


―シュウの唇が、私のそれと重なっていた。


それはひどく温かくて、優しくて、そして…甘くて。
溺れてしまいそう。
時間は短いのに、すごく長く感じた。
そしてゆっくりと離れて、思わず口を拭いてシュウを見つめた。
いや、キッと睨んでいるかもしれない。
自分で嫌というぐらい、顔が赤いのと熱いのを感じる。

「そう睨まなくても…」
「だ…だって…っ」

あぁ、喋ることすら出来ない。
なのにシュウは全然平気そうで。
なによ、遊び半分で私の唇を奪わな…


「遊びじゃないよ」
「―えっ?」


真剣なシュウの口調に、思わず見つめた。
その眼差しも、真剣で。


「好きな人じゃないと、僕はキスしないよ」
「ッ!?///」


いつものポーカーフェイスでそんなことをさらりと言うから、ますます私の顔は赤くなる。
なんなのよ…この余裕は…!
あぁもう、私の負けかも。
少しでも彼のポーカーフェイスを崩したくて、私はシュウにこう言った。

「シュウ」
「なんだい?」
「…好きよ」

悔しいけど、貴方が好き。
顔を見て言いたかったけど、やっぱり無理。
私にはそんな余裕一つもないから。
だけどやっぱり気になるから、おそるおそる視線を向けると…―


「…えっ」
「ちょ、ハルカ…見ないで…///」


―シュウが赤面になっている!!


えっ、シュウも顔赤くなるの?
しかも…照れてる…?
彼のポーカーフェイスを崩せたことなんて、もうどうでもよかった。
ねぇ、これは…

「あぁもう!!」
「きゃあ!?」

いきなりシュウに引っ張られた。
その衝動で、私はシュウの腕の中。
ほのかに、薔薇の香りがする。

「シュウ…?」

おそるおそる名前を言うと、シュウは私に向かってこう紡いだ。


「ハルカ…僕も好きだよ」


その言葉で、私は爆発しそうになった。
彼から贈られた深紅の薔薇での"占い"は、見事的中した。



*+*+*+

シュウハルといえば、ズバリ!薔薇ですよね^^
しかも深紅の薔薇って…シュウ君あんたその花言葉知って贈ってる!?と問い詰めたいです←
ハルカも気になって、深紅の薔薇の花言葉調べて戸惑ったら、それはそれでおいしい←

ここまで読んで下さり、ありがとうございましたm(_ _)m

(2013/5/26)







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