甘えたいのです(ゴークリ)

オーキド博士からゴールドが研究所に来ていると聞いた私は、早く仕事を終わらせるようにと急いで仕事をこなした。
この最近私はゴールドに会っていない。
きっと研究が忙しい私への配慮だろう、研究所にも来なくなった。
それを少し寂しい…いいやすごく寂しかった。
研究の休憩中に、少しでも疲れを取れるようにと面白い世間話を話してくれたゴールドはすごく優しくて。
本当にその時間が楽しくて、面白くて。
だからかな…会いたい。
今すぐにでも、早く会いたい。
そのために、早く仕事を終わらせよう。
こうして着々と私は仕事をこなした。



*+*+*+



3時間後。
ようやく仕事が終わり、待望の休憩時間。
ゴールドが待ってくれいてる。
私の頭の中は、もうゴールドしかなかった。
早く、会いたい。
そう思いながら、休憩室のドアをゆっくり開いた。


「…ゴールド?」


ゆっくり部屋の中を見てみると。
そこには…


「おっ、お疲れ。クリス」


相棒のバクたろうとエーたろうと遊んでいる、ゴールドがいた。
3時間も私を待っていてくれたゴールドに、嬉しさが溢れ出す。


「久しぶり、ゴールド」
「おぉ、久しぶりだなクリス」


ニッと私の好きな笑顔を浮かべて。

「ごめんなさい、待たせてしまって…」
「よくあるこった、気にすんな」

いつもの彼だ。
そのことに、すごく安心した。
時々、待たせすぎて嫌われるかと思うことがある。
だから早く仕事を終わらせるようにしていても、思うようにいかないもので。
本当に安心した。

「クリス疲れただろ?あんま無理すんなよ」
「ありがとう、ゴールド」

そう言って、私はゴールドの隣に座った。
久しぶりの、あなたの隣。
やっぱり、ゴールドの隣は落ち着く。

「珍しいな?クリスから俺の隣に来るなんて」
「そ…そうかしら?」

無意識にやった行動に、少し戸惑った。
そういえば、いつもはゴールドから隣に来てくれるような気がする。


「意外だった?」
「えっ?」
「私から…ゴールドの隣に行くのは」


ゴールドの綺麗な金色の瞳を見つめる。
その瞳に、私が微かに映る。


「ゴールド知らないでしょう?私だって、あなたの隣に行きたいの。いつもは恥ずかしいから行けないだけで。だけどね…久しぶりにゴールドに会えたから、嬉しくて。だからあなたの隣に来たの。私…ゴールドのことすごく好きなの」


いつもの私だったら、絶対に言わない言葉。
…ううん、恥ずかしくて言えない言葉。
だからかな。
会えなかった分、すごくあなたが愛しい。
私はそう伝えると、ゴールドの肩に頭をそっと寄せた。


「ねぇ、ゴールド」
「…何だ?」


そっとゴールドの顔を見てみると、すごく赤く染まっていた。
この顔を可愛いと思ってしまったけど、絶対に言わない。
からかわれるのを勉強したから。


「甘えてもいいかな?」
「ホント珍しいな、クリスが甘えるなんて」
「いい?」
「…あぁ」
「…頭撫でてほしい」


小さくポツリと呟くと、大きな彼の手が私の上に乗り、優しく撫でてくれた。


「クリスもな、甘えたい時とか頼りたい時とか、俺に言えよ。頼れよ。…正直、俺も寂しかった」


すると今度は優しく抱き締めてくれた。
細いのに、大きな体。
私を優しく包んでくれる、温かさ。


「…クリス」
「なに?」
「好きだぜ」
「…うん。ありがとう、ゴールド」


そう返事をして、私達は笑みを浮かべた。
この後、ゴールドから優しいキスが降ってきた。






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