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Fight started from a chicken.(海賊夢/麦わらの一味と夢主/キリリク/夏川様)



「今日は宴だー!」
「「「 おー!! 」」」



夕焼けが海の向こうに隠れていきだんだんあたりが暗くなってきた頃、サニー号では宴会が開かれようとしていた。
特になにがあったわけでもないのだけれど、久々に上陸した島でサンジが思わず自慢の料理の腕を振るわずにはいられない食材を仕入れただとか。
ナミが思う存分ショッピングを楽しんで上機嫌になって、いつもより海賊団の財布のひもが緩んだりだとか。
その他諸々、そういうささいな要因が図らずも重なって今夜のこの宴に至るわけである。



『うわぁ…!サンジ、張り切ったね!』
「おぉっ!?わかるかいナマエちゃん、さすがだ!このチキンはぜひ食べてくれ!」
『食べたい食べたい!というか食べる!』



サンジに促されるままナマエはチキンに手をのばした。この岩塩にちょっとつければより一層ウマくなるから!というお勧めに従い横に置いてある岩塩を少しつける。
そのまま口に入れようとして、けれどその前にキラキラと輝く岩塩の粒のきれいさに思わず手を止めた。



『…なんか、すっごくきれい…!』
「お?ウマそうなの食ってんじゃねェか」
『あ、ゾロ。そうなの、このチキン美味しそうだと思「くれ」…え?って、ちょっとゾロ!?』



ナマエの手首がゾロのがっしりとした手にさらわれて、肘を曲げるようにしてナマエの手はゾロの口元までチキンを運んでいく。
唖然としている間にナマエが掴んでいたチキンはゾロの口に収められていった。…ねえちょっと待って。



『ゾロ、チキン返して』
「悪ィ、もう食った」
「おいこのマリモォォォォ!お前に食わせるチキンはねェよ!海水でも飲んどけ!」
「あ゛ァ゛!?」
『(お、始まった)』



ゾロの刀を靴の裏で流すように受け止めるサンジ。勃発したケンカから逃れるようにナマエはそそくさと隅の方に避けた。
勿論、チキンと岩塩もセットで一緒に避難する。巻き込まれたくはない。うんうん。



「…あいつらまたやってんのか…」
『あ、チョッパー。そうなの、ゾロが私のチキンを横取りしたからサンジが代わりに』



チョッパーのほうがよっぽどしっかりしてると思う、とナマエがこぼせばチョッパーは途端ににへにへと照れた。やだすごく可愛い抱きしめたい。



「おれもそのチキン食いたい!」
『あ。はいどうぞ。サンジのオススメはこの岩塩をつけて食べてって言ってた』
「おぉ…!」



ちょいちょい、と岩塩をつけてナマエはチョッパーに食べさせた。目をキラキラさせていたチョッパーは、口にチキンをいれた瞬間一層輝く。
それはもう、ぱぁあっと。目の中に星を見ることができそうなぐらい。



「うめェ…!」
『…そんなに美味しいの?』
「めっちゃうめェ!…ん?ナマエはまだ食ってないのか?」
『うん。…さっきゾロに横取りされたから…』
「じゃあナマエも食べろよ。な?」



お返しとばかりにチョッパーが手にしようとしたチキンを、嬉しはずかしの思いで食べる
はずだったのだが。



「おっ?うっまそーだな!!」
『「!?」』
「シシッ、もーらいっ」
『っ、ちょっと待ってルフィストッ――』



ガツガツ モグモグ ゴックン。
岩塩もつけることなく、ナマエの手から奪い取った皿をまるでスプーンかなにかのように扱って、チキンをすべて平らげたルフィ。
皿の上からルフィの喉に移動するまで。その間およそ5秒弱。



「…なんだこれ!?めっちゃウメェ!おいサンジ!」
「アァ!?今このクソマリモの相手で忙しいん、だ…。…おいルフィ、その皿、チキンが入っていたやつじゃ」



サンジがゾロとのケンカの手を止めてナマエの方をハッと見た。食べたかい?と訊ねるような視線にナマエは涙目で首を振る。


ナマエが荒れに荒れて、サンジがルフィを締め上げるまで、あと10秒。





チキンから始まる戦い



(私まだ一口も食べてないのに!)
(ごめんよナマエちゃん!…おいルフィてめェ!)
(ヨホホホホ!!…あのー、どうでもいいかもしれませんがナマエさん、)

(…私に向かって岩塩まくのやめてもらえます?)
(ごめんブルック今は黙って八つ当たりされて)



*+*+*+

夏川様より、26800キリ番小説を頂きました。
"麦わらの一味と夢主との絡み"です^^
特にルフィとゾロとチョッパーと絡ませて下さいました!!
なんですかもう…!!この可愛さは!!反則です///
そしてチキンが出たことに、嬉しさ100倍です♪
夏川様、本当にありがとうございました!!!

(2013/5/24)





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