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青でくるんで(海賊夢/ルフィと夢主/フリーリクエスト/夏川様)



「なあなあナマエ」
『なに?ルフィ船長』
「はほへひっほひふひほろろろろろ、んぐ」
『…ごめん、ルフィ船長。何を言いたいのかさっぱり』



食事の席にて。ルフィがナマエの名前を呼んだ。
だから食事の手を止めてルフィに聞き返したのだけれど、ナマエが返事をする間、そのすこしの時間でも彼は食べ物を胃に入れたいらしい。
口一杯に頬張っているせいでなんと言っていたのか全然わからなくて、すこし申し訳なくて謝ったらルフィの後頭部にサンジの右足がとんだ。…痛そう。いや、痛くないのか彼は。



「ゲホッ、なにすんだよサンジ!」
「バカか!口に物いれながらしゃべんな!それとナマエちゃんに頭を下げさせるな!」
『え。サンジくん、わたしは気にしてないんだけど』
「ナマエちゃんが気にしなくてもおれが気にする。それよりナマエちゃん、お茶のおかわりはどうだい?」
『あ、いただきます。…ありがとう』



コポコポコポ、とお茶が注がれる。いいかおりがあたりに広がって、ナマエは思わず笑顔になった。
注ぎ終えたサンジにもう一度お礼を言った頃、やっと口の中にあった食べ物をのみ込みきったらしいルフィ船長が改めて口を開く。



「ナマエ、あとで一緒に釣りをするぞ!」
『…あれは一緒にっていうの?』



いつものルフィの釣りに付き合うときを思い出す。
ウソップたちと釣りをするときみたいにそれぞれ棹をもって並ぶわけじゃなくて、ナマエとルフィの場合彼がかいた胡座の中に***がすぽりと座りこむ。
そして、魚がかかるまでたわいもない話をするのだ。
なぜかルフィはそれがお気に入りらしくて、最近よく付き合わされる今日この頃。



「ルフィとナマエ、本当に仲良いわねえ。ねえロビン?」
「ウフフ。そうね、兄妹みたいだわ」
『ナミもロビンも他人事だと思って…』



まあそんなやりとりも、嫌いではないのだけれど。






「ん…、大丈夫か?」
『うん、大丈夫。平気』



ルフィに手を引かれるようにしてサニーの顔の部分にとびうつる。
と、そのままナマエはルフィに後ろから抱き締められる形でぽすんと座った。…もうこの体勢にもだいぶ慣れてきていたりする。



「やっぱおめェ、小せェなあ。それに軽いし、ちゃんとメシ食ってるか?」
『ちゃんと食べてるよ?…そりゃ、ルフィ船長に比べたら少ないかもしれないけど、お腹いっぱい食べてる』
「シシッ。ならいいんだけどよ」



ひとしきり笑ったルフィはよっ、という小さな声をあげて海に釣糸を垂らした。
さて、これからは根気との勝負。



「んーと、そうだなァ…。ナマエはどんな魚料理が好きだ?」
『わたしはムニエルが好きかな。ルフィ船長は?』
「おれが美味かったらなんでもすきだ!」
『あはは。ルフィ船長らしい』
「んー?そうかー?」



ナマエのうしろでルフィがニカッと笑う気配がする。振りかえったらきっと、顔がすごく近いだろうから本当に笑っているかはわからないけど。
だけどきっと、笑ってる。



『…あれ。ルフィ船長!釣糸、ひいてる!』
「なに!?ほんとだ、よし引くぞ!」



ナマエは意気込むルフィの邪魔にならないようにそろりとルフィの膝の上から避けようとした。が、しかしその前に肩を掴まれてそれは失敗する。



『ね、ルフィ船長。ちょっとここからどきたいんだけど』
「嫌だ。許さねェ」
『嫌だじゃなくて。だってルフィ船長、このままだと釣り上げにくいと思う』
「んー。まあいいだろ!」
『全くわけがわからないよ』



そうこうしているうちに魚はどこかに逃げてしまったようで。
小刻みに揺れていた釣糸は全然動かなくなって、ルフィが釣糸を引き寄せると餌はもう取られていた。やられた。



『もう…。言わんこっちゃない』
「まあいいじゃねェか!」
『…さっきからルフィ船長、そればっかり』



なにがいいっていうんだろう。正直、なにもよくないような気がする。
ナマエがそんなことを考えている横で、またルフィは釣糸を青い海に投げ入れた。ぽちゃん、と沈んでいく様子を追いかけるように眺める。
するとぽすんとなにかがナマエの頭にかぶせられた。そして右肩に重み。ああ、またこのいつものパターンなのね。



『ルフィ船長。また眠くなった?』
「おー…。ナマエと一緒にいたら眠くなんだよなー…」
『それちょっとひどい』
「違うって。なんか…安心するんだ」



だから、おやすみ。
ナマエが何を言う前に1人勝手におやすみなさいを放ったルフィは、すぐに寝てしまう。すーすーとうしろからすぐに聞こえてきた寝息には苦笑するしかない。
ルフィがかぶせた麦わら帽子を、風で飛んでしまわないように深くかぶりなおした。この毎回の展開に呆れてはいるけれど、いやではないのだから不思議だ。





青でくるんで



(いつも守ってくれるルフィ船長だから、)
(こんなときぐらいはわたしが彼を守りたい、なんて)



*+*+*+

夏川様より、フリーリクエストとして"ルフィと夢主でほのぼの"夢小説を頂きました。
なんという…可愛さなんでしょう!!!///
膝枕で頭パーンとなりました←
夏川様の夢小説、夢主可愛いし、読んで満足感で満たされるので本当に大好きです!!
夏川様、ありがとうございました!!!

(2013/5/24)


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