31


「あー、それは、また今度に、しないか」
「断る」
「・・・」

 しまったとしか言い様が無い。

「大丈夫だよ南郷さん。ちゃんと広げるから」

 それの何が大丈夫なんだと南郷は思ったが、緊張で口が動かない。
 我ながら随分なビビりだと感じたが、そもそもそこは出すとこであって入れるとこではない!という説得さえもやはり口から出ない。

「力抜いて」

 口さえ動かないのだから出来るわけが無い。
 アカギは先走りをヌルヌルと塗りこめるように撫でていたが、一向に力が抜けないのが分かれば、しょうがないなともう片方の手で性器を握った。
 先ほどより力が無くなっているそれを、丁寧に扱き始める。

「っ・・っ・・」

 すると快感に震え始めた身体からはおのずと力が抜けていった。
 アカギは幹を擦りつつ、時折、先端をその細い指で抉る。その度にビクリと南郷の腰が揺れた。
 ある程度緊張が和らいだところで、アカギの指がすかさず菊門を割って入る。
 ひっ、と小さな悲鳴を喉に張り付かせた南郷の身体に一瞬力が入ったが、性器を擦られていることと、アカギの細い指が案外に難なく収まったことで、再び力は抜けていった。
 アカギは指を出し入れし始め、内壁を指の腹で擦り上げる。

「どう?」
「ど、う、っ・・・と聞かれ、ても・・っ・・」

 性器への刺激で緩和されているせいか、最初に一瞬あった違和感はすぐになくなり、よく分からなくなっていた。

「分からなっ・・い・・っ・・なんか、っ・・変な、感じ・・っ・・だ・っ」
「気持ち悪くないなら、いいんじゃない」

 南郷はただ必死にコクコクと頷く。
 徐々に力が抜けていった南郷の上半身はクタリとしな垂れて、胸が布団についてしまい、腰だけ上がっている酷くいやらしい格好になった。
 今きっとエロい顔をしてるのだろうなと想像すれば、アカギは背中しか見えないことに酷く物足りなさを感じ、一度指を引き抜いた。
 その瞬間にビクリと南郷の背が震える。そんな反応を見てアカギは小さく喉を鳴らした。
 性器からも手を離されてしまえば南郷は不思議そうに首を回してアカギを見る。すると、南郷の先走りで濡れた手をねっとりと舐めている赤い舌が目に入り、羞恥に顔を赤くした。
 と言っても既にこれ以上はないほどに赤くなっていたのだが。

「南郷さん、こっち向いて」
「え」
「仰向けになって」
「い、嫌だ」

 さすがに今の顔は見せられないと、まるで猫のようにギュッと丸まって必死の抵抗をするが、アカギはそんな南郷をジッと見詰め、さっきまで指が入っていた部分をヌルヌルとまた指の腹で撫でた。

「ひっ・・・」

 南郷はビクリと肩を震わせる。

「こっち向かないと、このまま突っ込んじゃうよ」
「っっ・・・で、でもお前、結局突っ込む気だろうが」
「まぁね。でも今入れたらまだ多分痛いよ」
「うっ・・・」

 南郷は顔だけそろそろと伺うようにアカギを振り返ると、ニッとまるで悪魔のような笑みを浮かべている顔と視線がぶつかり、心底震えた。
 こいつ本気だ、と。
 本気も何も、今更過ぎる。

「ほら、南郷さん」
「・・・」

 南郷は諦めたか、ゆっくりと身体を反転させて、仰向けの状態になる。

「足も開かないと」
「おまっ・・・」
「開いてあげた方が良い?」

 言って南郷の膝に手を置いたが、必死に首を横に振る南郷を見てクッと小さく笑みを零し、その手をどけた。
 ジッと見ているアカギに唇を噛みつつ、南郷は顔を反らして、随分と時間を掛けて足を開いていった。
 この場合は焦らされるのも楽しいか、アカギは笑みのままにその姿を見詰めている。
 脚を半分ほど開けば、南郷はチラリとアカギを見た。

「やらしい格好だね、南郷さん」
「お、お前なぁ」

 どう考えても十三歳の発想ではない。
 思わず南郷はアカギを睨むが、涙を溜めたその瞳では迫力などあったものではない。
 子供に良いようにされている悔しさはあったが、アカギの持つ色香はそれさえも許してしまうほどの雰囲気を持っていた。

「ちょっと待って」

 アカギは枕を手に取れば、それを南郷の腰の下に押し込んで浮かせる。
 南郷は腰の位置が高くなれば足の指が爪先立ちのような状態になった。

「俺に見られて感じてるんでしょ」
「な、何言って・・」
「溢れてきてるよ。トロトロじゃない」

 腰が掲げられているような状態では、嫌でも自分の性器が目に入る。
 南郷のそこは確かに天を仰いでいるだけではなく、先からは白さを帯びた半透明の液体が溢れていた。幹を伝って流れ落ち、尻の狭間へと伝っていく。

「っ・・・」

 アカギは膝立ちになって近寄り、再び南郷の尻孔に指先を触れさせた。
 南郷は思わずギュッと目を閉じたが、先ほどよりも難なくアカギの指は入ってきて、ヌルリと根元まで収まってしまう。

「一本くらいならもう簡単に入るね」
「うっ・・・」

 アカギはもう片方の手で南郷の性器を握り、ゆるゆると扱き始めた。

「くっ・・ぅ・・」

 南郷は薄く目を開け、扱かれている自分の性器と、それからアカギを見た。
 欲情している少年の顔に、ゾクリと背筋が震える。
 恐怖か、快感か、それさえも今はもう分からない。
 アカギは挿入した指をヌルヌルと滑らせるように動かし始めた。垂れてくる先走りのせいで滑りはよくなっているようで、中指が届く範囲の内壁は全て丁寧に撫でていった。
 先ほどとは体勢が違うせいか、さっきは触れなかったらしきとある一箇所に指が擦れた瞬間、南郷の腰がビクッと大きく震える。

「っっ・・!」

 アカギが手を止めて眉を上げた。
 南郷は驚きに目を瞬いている。

「い、今の・・待っ・・」
「ここ?」

 またアカギがその個所をグリッと、先ほどよりも的確に押し上げた。

「あっ・・ぁ!」

 南郷の腰が大きく跳ねて、性器の先からビュルッと白濁が少し飛んだ。

「っ・・っ・・っ・・・!?」

 南郷は、ハッ、ハッ、と唐突に襲われた不明の快感に驚く呼吸を整えている。
 軽くだがイってしまったのは明白だった。

「凄いね、南郷さん・・・中、ヒクヒクしてる」
「違っ・・んっ・・・お、おいっ・・」

 小刻みに震えている菊門に指が締め付けられ、アカギは興奮に唇を舐めた。

「指、ぬ、抜いて、くれ・・・アカギぃ・・・」
「南郷さん、可愛い」
「は、はぁ?」

 思わず素っ頓狂な声を出すが、すぐにそれは飲み込まれる。
 指を抜くどころか、逆に増やされたからだ。二本目を挿入されてグッと南郷は唇を噛む。

「痛い?」
「く、るしっ・・・かも・・」

 確かに圧迫感があったが、アカギの指がさっきの個所をグイグイと押し上げればすぐにそれは消し飛んだ。

「あぁぁぁっ・・!」
「凄いな」
「そ、そこ、ダメだ・・そこ、触る、な、アカギ」
「そんな声で言われちゃ、逆効果だよ」
「え・・・あぁぁっ!」

 腰が跳ねて、卑猥な格好がさらにいやらしさを増す。

ホシクテ,ホシクテ

<< back next >>

戻る





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -