ブチャラティはこのガキに世話を焼き過ぎるからいけないのだと俺はいつもいつも繰り返し言っているのにどうにも平和ボケしているようでちっとも耳を貸さないから俺はついにガキの教育係に立候補することにした。なんだ結局一番親バカなのはアバッキオじゃないですかとか言いながら年少組二人が微笑んでいたが別にそんなことはない。親バカってのはお前達みたいなのを言うんだよボケ。後ろからバカみたいについてくるナマエにコートの裾を掴ませる。歩きづらいがこうしないとはぐれるからだ。全く。そろそろレストランから半径一キロメートルの範囲くらいは把握したらどうなんだ。俺が十五の時はもっとしっかりしてた。あいつらが甘やかすからなんにもできなくなるんだよ。全く。どいつもこいつも。

「ねーえアバッキオ」
「あんだよ」
「相談係の仕事って具体的に何かな」
「バカかおめーそれを自分で考えるのも相談係の仕事なんだよ」
「えっそうなの!?」
「どうせあのマヌケはヘラヘラして『ナマエはお茶飲んでるだけで良いんですよォ〜』とか言ってやがったんだろ」
「ちょっと違うけど大体そうかな」
「ホレみたことか」

 アバッキオはジョルノの真似へただね。後ろのガキがつぶやく。うるせーな似たくねーんだよ。そう言い返した。

「あのさーアバッキオ」
「あ?」
「アバッキオはわたしに相談したいことないの?彼女ができないとか」
「余計なお世話だ」
「良いところまではいくんでしょ?」
「おい、俺にはいいとしてもよ、よそのチンピラに質問攻めでもしてみろ!誘拐されるぞ」
「うーん、ごめん」

 こいつの質問攻めは、妙に核心を突いているのがかえって危ないのだ。鋭いところはあるのに一般的な常識が足りないのだと思う。俺が考え込んでいると裾が引っ張られたので振り返ってみる。と、申し訳なさそうに笑ってジェラテリアを指差すナマエがいた。

「…………割り勘だぞ」
「そういうところじゃないかな?」

 一般の女性受けは悪いよ、私は良いけどね。と生意気に言うナマエにデコピンをかましてやった。

2011/05/25




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