散歩していると小学生くらいの男の子にジャンケンをねだられたのでやってあげると勝ってしまった。素直に喜ぶと男の子が泣くほど悔しがったのでもう一度やってあげた。勝ってしまった。それが五回くらいあって、男の子はやっと諦めてくれた。
「お姉さん優しいからアイス買ってあげるよ」と言って私の腕をオーソンまで引っ張っていった男の子は結局よっちゃんイカを買った。喉が渇くからいらないと断ると、男の子は当初の目的をすっかり忘れたようで一人でもくもくとよっちゃんイカを食べ始めてしまった。どうしたものか暇を持て余していると、公園のベンチに座った私達を露伴先生が見付けたらしい。一瞬目が合ってからいつもの嫌そうな顔を私に見せ付けてぷいっとどこかへ行ってしまった。
「うげ」
嫌な顔をしていたのは露伴先生だけじゃなかった。よっちゃんイカをあっという間に半分くらい食べ終わった男の子(そういえば名前も知らない)は露伴先生とまったく同じ表情をしていた。
「露伴先生のこと知ってるの?」
「まあね……知ってるっちゃ知ってる……いじわるだって事とか」
「あはは、そうだね」
「お姉さんは?」
「お友達よ」
「ふう〜〜〜〜ん」
疑わしげに私を横目で見る男の子に肩を竦めてから、よっちゃんイカをもう一枚奢ってあげようかと聞くと大層喜んでくれた。とりあえず拗ねた露伴先生のぶんのおやつも何か買って行ってあげることにする。


20090808


ジャンケン小僧ってどうなったんですっけ〜穴が塞がらなかったのしか思い出せない


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