背後で、チッ、と舌打ちが聞こえました。

「……なんです?」
「なああああんでもない」
「…………」

アレッシーさんが苦手です。
私の背後に時折近付いてはしばらく黙り、そして舌打ち。いい加減私も慣れるべきなのでしょうが無理なものは無理です。アレッシーさんは何をされているんでしょうか?
振り返って、やかましいくらい鳴る鈴をじっと見ました。

「……………」
「…………なあによ」
「………いつも、何をされているんですか」
今日は気が向いたのでお聞きしてみました。答えていただけそうにないのでいつもは黙っているのですが、私にだって好奇心くらいはございます。私なりに思い切った行動でしたのに、アレッシーさんは澄ました顔でサングラスを下げてじかに私を見ました。

「……若返らねえなあーと思って、ねえ」
「……はい?」
「うるせええなあー――っ!ガキにならねえやつとは関わりたくねえんだよお……話しかけんな。偉くねえ、まったく」
「……はあ」

意味が分かりません。今度どなたかにアレッシーさんがどういう方なのかお聞きしようと思います。


20090703




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