「あんたはスタンド出せるのか?」
ダンさんが急にそう尋ねられましたので私は一瞬きょとんとしていたと思います。スタンド、この屋敷の住人……ヌケサクさん以外はみんなスタンドをお持ちでいらっしゃいますから、もちろん私も例外ではございません、矢を受けましたので。ダンさんがお持ちの『恋人』だとかの大アルカナ(でしたか?)とはまた違う名前を、DIO様から頂いたのです。
「ええ、もちろん」
「どんなだ?」
「それが、よくわかりませんの」
「へえ」

ここはDIO様に分けて頂いた私の部屋です。ダンさんはお暇なのか、ラバーソールさんと一緒によく私の部屋へいらっしゃいます。今日はラバーソールさんは外出していらっしゃるようですが、それでもダンさんは一人で部屋の戸をノックされました。部屋に唯二つの椅子一つずつに腰かけて、私たちは向かい合っています。

ダンさんのスタンドは確か、『恋人』といいましたでしょうか。

「俺のはさあ、弱いんだよ」
「そうなんですか」
「知ってるか?あんた」
「はい?」
「ラバーソールのはけっこう強い」
「そうなんですか」

お二人とも、何が楽しくて私の部屋へいらっしゃるのでしょうか。私は特にお二人の話に興奮するわけでも無いですし基本的にはパターン化したお返事をさせていただくのみです。今だってダンさんは『節制』について何やら語っていらっしゃいますが私はあまり聞いていません。手元のご本が面白いので。
ちらりと、昔似たようなことがありましたような気が致しました。あの方は確か、スピードワゴン様とおっしゃいましたでしょうか。

「あんたのスタンドは強そうだな」
「そうですか?」
「あんたがめちゃんこ強いしな、まず」
「そうでしょうか」
「その牙とか爪とかな」
「……」
「あれ、今の禁句?」
「いえ」
怒んなよ、とダンさんは私の顔を覗き込まれました。焦った顔を無理矢理笑顔にしたような。別に怒ってなんていないのです、元からこういう顔なのです。言わずにじっと目を見つめ返すとダンさんは気まずそうに逸らされました。

20090701

三部最後に読んだの三年前だ……キャラがわからなすぎる
スティーリーダンは服といい髪の感じといいイルーゾォに似てますよね




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -