なあナマエさんよ、あんたはどうやったらちゃんと俺の目を見て話すんだ?
……嘘つけ、見てねえじゃねえか、冗談キツいぜ。その濁った目は俺を見ちゃいねえよ。他の奴らと話す時だってあんたそうだ、いつも死んでるみたいな目をしてる。
もしかして俺の口が悪ィのが原因かとも思ったがよお、そういうワケでもねえよなあ。マライアやネーナやミドラーとはよく話してるじゃあねーか、ただし目はやっぱり見てねえが。あいつら俺らよりひでえこと言ったりするからな、女ってのはこえーよ。
……なんつーかつまりよ、俺が言いてーのはあんたともっと話してえってことよ。
「……何故ですの?」
「そんな嫌な顔すんなよ!」
「してませんわ」
「いいや、してるね」
「……確かに私は、言葉遣いのよろしくない男性はあまり好みません」
「……ああそう」
「でも、今のままで十分です」
「あ?」
「十分、気を遣っていただいてますから」
……あ、笑った。
あ、戻っちまった。はえーよ!もっとさあ、俺と同じくらいキレーな顔してんだから良い顔しろよ!
「ありがとうございます」
「作り笑い禁止な」
「…………………」
20090629