名前に会うなり、殴られた。
痛む頬をおさえて、思わず反射的に出たマジシャンズ・レッドに彼女は怯まない。自分のスタンドまで出して、怒りで真っ赤な顔をぎっとこちらに向けている。
「バカ!!バカアヴドゥル!!むっつり!!生きてたんなら生きてたって言ってよアホアヴドゥル!!なに撃たれてんのよアヴドゥル!!パンツ見ないでよ!!」
更にもう一発殴ろうとした名前を承太郎と花京院が二人がかりで押さえつけている。わたしを連れてきた張本人のポルナレフは、色々思うところがありすぎてぽかんと口を開けていた。
痛かったが、感動したのだ。名前は仲間うちで唯一わたしだけファミリーネームで呼ぶし(ポルナレフの事さえジャンと呼ぶのに)、鳥が苦手だからとスタンドを嫌っていたし、正直今回わたしが死んだフリをして戻ってきたっていつもの笑顔で「あっよかったねええ〜〜っ」程度だと思っていたのだ。だから自分の父親に変装して出て行ったとき名前が必死に頭を下げたのも意外だった。
大柄な男二人に羽交い締めにされて尚暴れる名前のスタンドもスタープラチナとハイエロファントが抑えつけていた。ジョースターさんだけはずーっと笑っている。
少し濡れた目を拭って、ジョースターさんと一緒に笑った。
2009060623