「ジョセフー―――――!!!」
「おお名前!ひさしぶ……おぉっとお!」
 ジョセフにタックルした。ジョセフはじいちゃんだけどじょうぶだし私が全速力で飛び込んだくらいじゃ倒れない。あと承太郎も倒れない(睨まれるけど殴られないからやめない)。ジョセフはわたしの頭をぐしゃぐしゃにして抱きしめた。痛いけど、こっちだって容赦しない。全力で広い背中を締め付ける。ちっちゃい頃となんにも変わってなかった。匂いも、筋肉も。あ、白い髪がだいぶ、増えたかな。

「おいじじい。あんまりそいつを甘やかすな」
 承太郎が後ろから言った。
 抱き着いたまま振り返って、べーっと舌を出すと、なんだか楽しくなって笑えてきた。承太郎はムッツリ顔だ。
「なんでじゃ。おーおー名前、美人さんになって」
「ジョセフったらァ!あはははは!」
 ばしんと熱い胸板を叩くと、アウチ、とジョセフが呟く。わー英語だ。
「どこがだ?」
「承太郎!気持ちはわかるけどお世辞言えないと大人になれないんだよ!お母さんが言ってた!!」
「あぁ、わかったわかった」
 承太郎は、自分のスカスカの鞄とわたしの優等生みたいに厚い鞄を持ったまま家へ入って行ってしまった。奥から、ホリィの声が聞こえる。ジョセフがわたしの頭をぽんぽんして口を尖らせた。
「なんじゃい承太郎の奴。こォー――んなにカワイイのにのォ」
「あっははははまーたジョセフはァー!」
 またジョセフの胸板を叩く。今度は結構効いたようで、ぐっと言ってジョセフは私をおろした。というより落とした。うまく着地して、ジョセフを見上げる。

「ジョセフ、わたしのおじいちゃんになってよ!」
「あつつ……もうおじいちゃんのつもりだったんだがの……」
「やった!!ねえ承太郎!!ホリィ!!聞いた!?」
 ジョセフの後ろに回って、背中に飛び乗る。
「発進!!」
「おお!」
 やっぱりジョセフはノリが良いなあ。承太郎にやったって動いてくれない。気持ちいい感じに揺られながら、にこにこするホリィと呆れたようにこちらを見る承太郎の方へ、自動的にわたしは向かっていった。

20090622

なんだこれ


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -