「ねえママ」
昼下がり、外で大はしゃぎしながら水をブッ掛けあってるジョセフとシーザーを窓から眺めながら、後ろでタバコを吹かしてるであろうママに話し掛けると新聞がかさりとこすれる音がした。なに、という合図だ。窓に背を向けてママの目を見る。
「ジョセフとシーザー、ママが付き合うとしたらどっち?」
「嫌」
目線を上げないまま即答したママに、どうして、と尋ねる。
「……シーザーは少しうっとおしいわ」
「まあ確かにママからしたらね」
ママはシーザーに妙に懐かれてるから。まあ母親ながら綺麗だし若いし強いし私だってママが大好きだ。
ふと、ママの回答に何かが足りないことに気が付いた。
「ジョセフは?」

ママが顔を上げた。タバコの灰が溜まってきている。
「ジョセフはやめときなさい」
「ええ?なんでよ?」
新聞紙で覆われて見えなくなってしまったママの顔を上横下から覗こうとしたけれど、どうやっても見えない。こうなると夕食のときまで口をきいてくれないので、私はまた諦めて外を眺めることにした。


20090617


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